船木亨
1951年、東京生まれ。東京大学文学部倫理学科、大学院博士課程修了。
進化論の5つの謎
ちくまプリマー新書 (2008.7.7)
生物哲学とでも言えば良いのでしょうか。。。
生物学の成果、特に進化論を元に哲学を発展させ、
人間とは何かを捕らえようとした解説書。
- はじめに
- 序章 おとなになること、進化すること
ポケモンは進化する?/進化と変態/生命現象の底知れぬあやしさ/こどもが人間へと変態するとき/個体発生は系統発生をくり返す?/魔術的なもの/わたしは生きている/おとなになることの秘密/超人願望
- 第一章 進化論は科学ではない?
四〇億年の孤独/科学者からも宗教家からも批判される/進化のコペルニクス的転回/森羅万象の五つの歴史/博物誌と歴史学/分類の学としての生物学/体系と系統樹/生命原理は存在しないか?/精子のなかに胎児が見える?−−前成説/進化論という発明−−後成説/偶然の結果として説明する/弱肉強食のウソ/「自然の経済」ではない
- 第二章 進化論の五つの謎
完全性へ向かう事例−−生気論/意欲がかかわる事例−−用不用説/ステップをふむ事例−−エラン・ヴィタル(生の飛躍)説
- 第一の謎 そもそも原始細胞はどうやって発生したのか
分裂する欲望−−原始細胞の謎の答え
- 第二の謎 多細胞生物の出現
死はプログラムされているか?/老化もひとつの進化である
- 第三の謎 生物の大分類はどのようにして生じたのか
- 第四の謎 意識というものがなぜ出現したのか
- 第五の謎 理性は進化の結果であるといえるのか
進化論を思考する理性への進化
- 第三章 性と文化の深い関係
人為選択/人種とは何か/優生学的思考/性別役割と性的魅力/性淘汰/目的を知ることなく極端なものへと進む/無意識の選択が歴史を作った/大進化の謎の答え/人類の配偶者選択/選択の基準/性淘汰から人為選択へ/自然と文化を貫く「リゾーム的進化論」へ
- 第四章 人類はイヌとともに進化した
人類は進化の頂点にあるか/系統樹を作った生物/分類すること/自然のなかの精神/人間はイヌ族/動物になること/群れのノモス/認識の暗闇−−生きられた世界
- 第五章 物質から生命が発生する
本能ではない/「トムとジェリー」/身体と器官と細胞/バラバラの身体/多細胞生物と単細胞生物/行動の空間−−濃度と速度/伝染する?/「われ眠るゆえに世界あり」/物質の深くて冥い闇/意識出現の謎への答え/理性の謎への答え
- 終章 生きるということ
全体論と要素主義/生きていること
- あとがき
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