橋本典久
1951年、福井県生まれ。東京工業大学建築学科卒業。
2階で子どもを走らせるなっ!
光文社新書 (2008.7.20)
サブタイトルは『近隣トラブルは「感情公害」』
奈良県平群町の「騒音おばさん」は有名になってしまいました。
その他にも、2階の子供の足音騒音に賠償命令が出たり、
近くの公園の噴水で遊ぶ子どもの声がうるさいからと噴水の停止命令が
出されたりと、最近、騒音に関するトラブルが法廷に持ち込まれる事が
多くなってきています。
いつから増加してきたのか、どうして激増しているのか、どうやって
トラブルを回避すれば良いのか?
筆者が言うには、バブル崩壊による不安の増大と、地域共同体の崩壊が
原因であり、これはもう食い止めることは出来ない。
かわりに、全国に近隣トラブル解決センターを設置するべきという。
- プロローグ ある日、機内にて
- 第1章 子どもは走らないようにしつけなさい!?
足音裁判・子どもは走らないようにしつけなさい/
閑静な生活から一転、騒音環境に/トラブルは小さな亀裂から/
騒音問題から騒音トラブルへ/怒りから敵意へ/思い込みの蓄積/
判決の意味するもの/はじめてのLH55裁判/
機内の赤ん坊の泣き声のように/足音裁判、どちらが勝った/
公園噴水での子どもの水遊び差し止め請求/子どもの声は騒音ではない/
近隣騒音トラブルは感情公害/近隣トラブルは被害者だらけ/
近隣騒音トラブル(犬の鳴き声)・問題編/
近隣トラブルは訴訟に頼るな
この章で伝えたかったこと
- 第2章 目には目を、近隣トラブルには規制と罰則を?
<鳴き声物語1>ああ、今日もまた犬が鳴く/外国での犬の鳴き声規制/
わが国は、いまは迷っている/日本と欧米の相違/
<鳴き声物語2>ふたたび、犬養吾郎氏の場合/
犬の鳴き声が示す日本の変化/地域共同体の崩壊/
規制と罰則は解決になるか/<鳴き声物語3>犬養直司の場合
この章で伝えたかったこと
- 第3章 訴訟大国にならえば、万事OK?
若井教授の主題別ゼミナール/
米国・近隣トラブル解決センターの成立過程/米国式現代調停とは/
考えぬかれた調停技法/市民ボランティアが調停員/
トラブルの受け入れから調停まで/紛争心理からみたトラブル解決法/
講義は終わりに近づく/わが国のトラブル処理の現状/
日本にも近隣トラブル解決センターができたなら/
田中君の質問/講義のまとめ
この章で伝えたかったこと
- 第4章 トラブルの背景に潜む不安感と孤独感
いまの日本に何が起こっている?/虫の仕業から人の仕業へ/
「切れる」から「キレる」へ/近隣トラブル激増とのリンク/
バブル崩壊による”感情不況”/不安気質の日本人/
騒音トラブルにも社会不安の影/トラブルを生む世代対立の構図/
感覚フィルター機能/通底する不安感
この章で伝えたかったこと
- 第5章 【解決編】ウイン・ウインの結論を導くには
センター設立へ一念発起/さあ、活動開始/設立活動、次なる手段は/
市長へのプレゼンテーション/調停ボランティアの募集は/
近隣騒音トラブル(犬の鳴き声)・解決編/5年後のK市では/
近隣トラブル解決センターにて/同席調停の始まり/
調停後、自宅に戻って/ウイン・ウインの解決/現実を眺めてみると
この章で伝えたかったこと
- エピローグ 感情公害だからこそ
最後に伝えたかったこと
戻る