畠中恵
1959年、高知県生まれ。
名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒業。
しゃばけ
新潮社 (2001.12.20)
日本橋の廻船問屋兼薬種問屋である長崎屋の若だんな、一太郎は、
身体が弱く、ちょっとしたことで寝込みがちである。
両親は、彼には本当に甘く、大袈裟すぎるほど大切にしている。
堕落してしまっても良い身分なのだが、本人の一太郎は逆に、
出来るだけしっかりしようと思っている。
その一太郎を守るために、昔から仁吉と佐助の二人の手代がいつも
側についていた。
しかもこの手代たちは、普通の人間ではなく、いわゆる妖であり、
そのせいもあって、昔から若だんなのまわりには、様々な妖達があらわれていた。
その二人の目をかいくぐって外出した帰り道、一太郎は死体に遭遇した・・・
ぬしさまへ
新潮社 (2003.5.20)
- ぬしさまへ
火事の多い江戸の町。ある日、その火事を知らせる半鐘が鳴り響いた。
無事に火事は収まり、長崎屋に被害はなかったが、その火事の間に
人殺しがあったようである。
そして、その犯人として、仁吉が疑われているという・・・
- 栄吉の菓子
幼なじみで近所に住む栄吉さんの作った菓子を食べた老人が亡くなったという。
もし、本当にその菓子が原因なら、大問題であるが、どうやらそうでは
ないらしい・・・
- 空のビードロ
松之介の働く桶屋東屋の近くで、犬猫が続けて殺されていた。
そしてある日、東屋の店先に、その殺された猫の首が投げ込まれてきた・・・
- 四布の布団
一太郎のために新調された布団が、泣き声を出す。
それの原因を突き止めようと、妖達が動きだした・・・
- 仁吉の思い人
どこから見ても美男子の仁吉。
その仁吉にも、失恋話があったという・・・
- 虹を見し事
いつも、うるさいぐらい付きまとってくる妖達が、ここ数日、さっぱりと
姿を見せない。
しかも、仁吉と佐助の様子も、普段と全然違う。
ひょっとしてこれは、誰かの夢の中に入り込んでしまったのではないか?
と思った若だんなは、夢の主を探り当てようと行動を開始した・・・
ねこのばば
新潮社 (2004.7.20)
江戸の通町にある大店、廻船問屋兼薬種問屋長崎屋の若だんな一太郎はもうすぐ十八。
両親は、ひ弱でちょっとしたことから寝込んでしまう一太郎を、甘く甘く育てていた。
若だんながグレなかったのが不思議である。
そんな一太郎の祖母ぎんは、皮衣という大妖であった。
その縁で、一太郎の側には犬神(佐助)と白沢(仁吉)という妖の手代がついていた。
- 茶巾たまご
一太郎の兄松之助に、見合いの話が持ちこまれた。
ところがそれは、奇妙な見合いになってしまった・・・
- 花かんざし
久方ぶりに外出した先で、鳴家が小さな女の子に捕まれてしまった。
いくら頼んでも離してくれない。しかもどうやら迷子のようだ・・・
- ねこのばば
猫又になりかけている猫の小丸が、上野は広徳寺の寛朝御坊に捕まったという。
若だんなは小丸を助け出すために出かけた・・・
- 産土
近所の大店が、たて続けに潰れていった。
そして金策をしなくてはならない・・・という時に、
銭箱の中に切り餠が二つ、奇妙な書付けと共に入っていた・・・
- たまやたまや
佐助にも仁吉にも黙って出かけた一太郎は、騒動に巻き込まれて
どこかの土蔵の二階に閉じ込められてしまった・・・
みぃつけた
新潮社 (2006.11.30)
「しゃばけ」シリーズの一太郎と、家鳴たちとの出会いを描いた絵本。
何とか友だちになってもらおうと、かくれ鬼をして遊ぶ小さい頃の若旦那。
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