保阪正康
1939年、北海道札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。
若い人に語る戦争と日本人
ちくまプリマー新書 (2008.7.10)
第一次世界大戦から太平洋戦争終結までの日本の歴史を振り返り、
現在の我々は、そこから何を読み取るべきか、一つの考え方を提示。
- はじめに−−−なぜ戦争について知らなければならないのだろう
- 第一章 大正から昭和の軍国主義への道−−−戦争への道をどう進んだか
- 1 第一次世界大戦から昭和へ
はじめての世界戦争/科学技術を駆使した武器の登場/
悲惨な戦争の後で/ワシントン秩序の落とし穴/大戦後の日本の変化/
大正デモクラシーと軍人への嫌悪/昭和軍閥の芽/軍人たちの夢/
満蒙を制圧するという使命/国際化を果たせなかった日本
- 2 満州事変という名の戦争
日本の生命線としての満蒙/なぜ満州事変は起きたのか/
国家総力戦の考え方/満州事変の目的とは?/陸軍暴走の始まり/
意図的に仕組まれた国家/日本軍の不健全さ/
表面化されなかった戦争の怖さ
- 3 戦争を支える意識はどうつくられたか
パリ不戦条約の矛盾/戦争を容認する社会へ/
国内外の「敵」との戦い/軍部が用いた暴力/天皇主権説の登場/
政党・軍部・メディアの腐敗/軍部が考えた戦争とは?/
陸軍パンフレットの戦争哲学/偏ったナショナリズム
- 第二章 日中戦争から太平洋戦争へ−−−戦争を行う体制はどうつくられたか
- 1 二・二六事件以後の戦争への道
歴史の流れの中で/戦争に不可欠な要素/二・二六事件の見方/
「神国日本」への道/天皇親政国家の矛盾/ゆがんだ国家像の実現/
軍部独裁政権ができるまで/他者を抑圧するシステム
- 2 宣戦布告なき戦争
日本軍の奇妙な体質/中国との衝突は避けられた?/
軍内での対立/二つの大きな過ち/戦争と言わない理由/
泥沼に入った日本/思い込みで進んだ南京攻略/
強気の和平条件の決裂/自己陶酔型の指導者たち/
戦時体制への社会の変化/国家総動員法の可決/
東亜新秩序をめざして/戦略なき戦いへ
- 第三章 戦争目的のなかった戦争−−−戦争はどのように戦われたか
- 1 真珠湾攻撃という選択
戦争に勝つということ/アメリカとの亀裂/日米双方の思惑/
対英米戦への論議/外交交渉の失敗/あまりに安易な選択/
昭和の悲劇に向かって
- 2 太平洋戦争をどう考えるか
アメリカの戦術にはまった日本/自己本位な選択/
軍国主義体制の特質/太平洋戦争の推移について/
ミッドウェーとガダルカナルでの敗北/命を捨てる戦い/
負けたと思った時が負け/特攻という体当たりの攻撃/
身をもって知った戦争/敗戦から学ぶべきこと
- おわりに−−−教訓を語る姿勢の必要について
- あとがき
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