石田衣良
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。
池袋ウエストゲートパーク
文藝春秋 (1998.9.30)
池袋の地元の工業高校を卒業し、おふくろが池袋西一番街でやっている
果物屋をたまに手伝いながら、ほとんどの時間を池袋西口公園で過ごす真島誠。
西口公園をかっこよくウエストゲートパークと呼び、ここが好きで、
池袋という街を愛しているマコトの回りで起こった数々の出来事。。。
- 池袋ウエストゲートパーク
マコトは、四流大学生の森正弘ことマサ、デザインの専門学校生の水野俊司
ことシュンと共に西口公園のベンチに座って毎日ぼんやりと過ごしていた。
シュンの描くイラストにひかれて、マコトたちの前に現われたのは、
色白でお金持ちのお嬢さまの渋沢光子ことヒカルと、
色黒の友人の中村理香ことリカ。
それから毎日、西口公園で一緒に過ごしていたが、ある日リカが、
ホテルの部屋で殺害されているのが発見された。
犯人は、ここの所池袋で起きていた連続女子高生絞殺未遂事件の犯人、
ストラングラーである可能性が強かった・・・
- エキサイタブルボーイ
リカの事件では、池袋のギャングボーイズ(Gボーイズ)に助けられたが、
そのヘッドの安藤崇ことタカシから依頼がきた。ちょっと断りづらい。
内容は、池袋の暴力団の最大手の一つ、羽沢組絡みだという。
組長の羽沢辰樹に会って話を聞いてみると、彼の娘の天野真央が姿を消して
一週間になり、その行く方を探して欲しいと言う事であった。
そして彼女の付き人をしていたのが、中学の同級生だった斉藤富士男ことサル。
仕方なく、彼と一緒に真央の行く方を追い始めた・・・
- オアシスの恋人
元同級生でヘルス嬢の千秋が、突然店にやってきて、マコトに言った。
「明日の昼過ぎ、お店『オアシス』にお客として来て欲しい。人命が
かかっているので助けて欲しい」と。
話を聞くと、彼女のイラン人の恋人のカシーフが、やくざからも薬の
売人ヘビーEからも追われており、警察へも逃げ込めないという事らしい。
とりあえずカシーフを自分の家に連れて来て、対策を考える・・・
- サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)
大晦日に現われたダンサーの尾崎京一。
彼のダンスは、たちまち観客を魅了し、
チーム「レッドエンジェルス」が誕生した。
初めの3ヵ月ほどは、Gボーイズとうまくやっていたのだが、いつのまにか、
互いに正面切ってぶつかるようになった。
今では、池袋でレッドエンジェルスの赤、Gボーイズの青の含まれた服を
着ることは、命を賭けることに等しい状態にまでなってしまっている。
そんな時、独立ビデオジャーナリストの松井加奈がうちの店にやって来て、
池袋の少年たちの抗争事件をドキュメンタリーにまとめたいので
協力して欲しいと言ってきた。
そして、彼女を利用して池袋に再び平和を取り戻そうと、
マコトは動きだした・・・
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