岩田規久男
1942年生まれ。東京大学経済学部大学院修了。
景気とはなんだろう
ちくまプリマー新書 (2008.10.10)
景気とは何か、何が原因で上下するのか、その抑制方法は何か、等々、マクロ経済の基本を分かりやすく解説した本。
- 序章 景気とはなんだろう
景気とは/誰も景気に無関心ではいられない/
景気を良くする方法はあるのだろうか/
景気は太陽の黒点が多くなると良くなる?/四つの景気循環説/
循環(サイクル)と趨勢(トレンド)の区別が必要/日本の景気循環
- 第1章 景気はなぜ良くなったり悪くなったりするのだろうか?
国内総生産の供給/企業の在庫品需要/在庫循環は消滅したか?/
変動の大きい設備投資/
設備投資の増加はその何倍もの国内総生産の増加をもたらす/
投資が投資を呼んだ高度成長期/バブル景気以降の設備投資と消費の動向/
住宅投資の変動による国内総生産の変動/
消費は景気にどのような影響を及ぼすか/内需と外需
- 第2章 設備投資は南極探険のようなものだ!
「設備投資は南極探険のようなものだ」/設備投資のリスクは大きい/
将来の予想が設備投資を決める/経営者が強気か弱気かが景気を変動させる/
新技術と新製品の開発/金利がどうなるかも設備投資に影響する/
設備の価格動向も予想する必要がある/
海外売上高の影響を強く受けるようになった設備投資
- 第3章 日本の景気は海外の景気とどう連動するか
輸出の変動は景気を大きく左右する/輸入と景気の関係/
景気を悪化させる輸入は悪か/なぜ輸出は変動するのか/
「アメリカがくしゃみすると風邪をひいた」高度成長期/
変動相場制度への移行と為替レートの影響/
アジア新興国の景気が日本の景気を左右する/
日本の景気はアジア新興国とアメリカの景気とどう連動しているか/
ブラック・ホールのようなアメリカ
- 第4章 お父さんの会社は景気とどういう関係があるのか
名目賃金と実質賃金の区別/実質賃金はどのように変化してきたか/
企業収益は好調/急上昇する海外売上高比率/振るわない中小企業/
設備投資と対外直接投資の動向/なぜ対外直接投資は増えるのか/
対外直接投資の増加は景気にどう影響するか/
会社はもうけているのにお父さんの賃金が上がらないのはなぜか/
複雑になった実質賃金の決定メカニズム
- 第5章 いろいろな価格は景気とどう関係するのか
バブルとその崩壊/資産価格の高騰が引き起こしたバブル景気/
バブル崩壊で資産デフレ不況へ/資産デフレ不況からデフレ不況へ/
サブプライムローン問題とは/
資産デフレ不況の可能性は?スタグフレーションが心配される原油価格の高騰/
鉱物資源価格の高騰は景気にどう影響するか
- 第6章 景気を安定させる方法はあるのだろうか?
公共投資による景気悪化の防止/公共投資は景気対策として有向ではないのか/
減税は景気対策として有効か/国の借金残高の増加は景気の重石になるか?/
景気安定化政策としての金融政策/資産価格が上がって景気が良くなる/
金利引下げは円安を招く/金融政策の効果を弱める要因
- 第7章 インフレにどう対応するか
インフレが家計に与える影響/物価と景気を安定させるための金融政策/
インフレ目標採用国の良好な経済的成果/
金融政策は資産価格や原油価格の高騰にどう対処すべきか/
資産価格の高騰に対しては金融監視政策が重要/
資源価格高騰には省資源・再利用・代替資源開発などで
- 付論 イワタ流景気動向指数の見方
景気動向指数による景気判断/実際にはどのように景気判断しているか/
CI(コンポジット・インデックス)とは/
CIの先行指数とDIの一致指数による景気判断
- これからの勉強−−−あとがきに代えて
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