金城一紀
1968年生まれ。在日韓国人。
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講談社 (2000.3.30)
在日朝鮮人のおやじとおふくろが、韓国籍に変更しようとしたのは、
僕が14歳の時だった。ハワイへ行くために。
そう、そうして在日韓国人家族になった僕たちであったが、ハワイへ行ったのは
両親だけで、僕は日本に残って留守番をしていた。
引き換えに聞いてもらったわがままは、日本の高校へ行くこと・・・
レヴォリューションNo.3
講談社 (2001.10.1)
新宿区の典型的オチコボレ男子校に通う48人の同級生が集まって結成された
「ザ・ゾンビーズ」。
僕(南方)、舜臣、ヒロシ、萱野、井上、山下といったこの会のメンバーと、
アギーやドクター・モローらの活動を中心とした、中・短編3話。
- レヴォリューションNo.3
そもそも「ザ・ゾンビーズ」結成のきっかけは、ドクター・モローに
挑発されて、近所の『聖和女学院』の学園祭に突入しようとして
集まったものである。
一年の時には≪出前作戦≫を実行し、潜入に成功して8人が女生徒から
電話番号を聞き出したものの、潜入作戦に人命に関係する救急車を
使用した事が災いして全員ふられた。
二年の時には≪ええじゃないか作戦≫を実行して侵入したものの、
貧乏臭いという事で顰蹙をかって失敗した。
そして三年の今年、学園祭はあと一月後に迫っていた・・・
- ラン、ボーイズ、ラン
今年の突入作戦には成功し、48人のメンバーのうち36人がカップルに
なっていた。
しかし、メンバーの一人であり、事実上のリーダーであったヒロシは、
身体の不調から入院して今年の作戦には参加できず、さらにその後、
病気で亡くなってしまった。死因は急性のリンパ性白血病であった。
彼が葬られている沖縄へと、墓参りをしようと計画したザ・ゾンビーズの
メンバーは、停学期間中の一ヶ月とその後の冬休みを利用してアルバイトをし、
この資金で沖縄に向かう予定であった・・・
- 異教徒たちの踊り
最後の突入の前、高校最後の夏休み、僕は井上に呼び出され、
彼の姉の中学時代の同級生という吉村恭子のボディーガードを
引き受けることになってしまった。
彼女は、無言電話等でストーカーに狙われていると言う。
半信半疑だったものの、彼女の部屋でかかってきた電話を確かめ、
とりあえずその日は帰ろうとした時、何者かに首を絞められて、
もう少しで殺されるところであった・・・
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