川上弘美
1958年4月1日、東京生まれ。お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。
蛇を踏む
文藝春秋 (1996.9.1)
- 蛇を踏む
『文學界』平成8年3月号
数珠屋「カナカナ堂」の店番をしているサナダヒワ子。
カナカナ堂へ向かう途中にあるミドリ公園へ行く途中の藪で、
蛇を踏んでしまった。
そしてその蛇は女になって、ヒワ子の家に住み着いてしまった・・・
- 消える
『野性時代』平成8年3月号
この頃よく消える。
昔、ゴシキと呼ばれていた大きな壷が消え、そして最近、上の兄が消えた。
それでも家族はあまり気にもかけない。
一つの心配事は、兄には差し迫った結婚話があり、近々婚約者のヒロ子さんが
この家にやってくるという事であった・・・
- 惜夜記
『文學界』平成8年9月号
夜、様々な動植物、そして少女の話。
- 馬
- カオス
- 紳士たち
- ビッグ・クランチ
- ニホンザル
- 非運多数死
- 泥鰌
- シュレジンガーの猫
- もぐら
- クローニング
- ツカツクリ
- ブラックホール
- 象
- アレルギー
- キウイ
- フラクタル
- 獅子
- アポトーシス
- イモリ
椰子・椰子
小学館 (1998.5.10)
夢日記の発展したもの。
旦那がいて、子供がいて、恋人がいて、それらが動物や鳥や昆虫で・・・
センセイの鞄
平凡社 (2001.6.25)
私大町月子は、高校の国語の先生だった松本春綱先生を、「センセイ」と呼ぶ。
漢字でもひらがなでもなくカタカナである。
高校時代は国語を特に一所懸命に勉強した記憶もないし、センセイの事を
気にかけていたわけでもない。
もうすぐ40になろうと今になってサトルさんのお店で再会し、以来、
付かず離れずの関係を続けている・・・
パレード
平凡社 (2002.5.5)
『センセイの鞄』の続き(?)
センセイが、ツキコさんに昔の話をしてくれと頼んだ。
そこで、小学3年の頃の天狗の話をした・・・
真鶴
文藝春秋 (2006.10.30)
結婚して子どもの百が生まれ、その百が3歳になった頃、
突然失踪してしまった夫の礼。
柳下京は今、百と母親と3人で暮らしている。
そんな百も、中学を卒業して高校生になった。
そんなある日、気がつくと真鶴のホームに降り立っていた。
いつものように、何かついてくるものがある・・・
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