Yutaka Maya
1969年5月29日、三重県上野市生まれ。京都大学工学部電気系学科卒業。
痾
講談社ノベルズ (1995.5.8)
シリーズ第3弾。というか、『夏と冬の奏鳴曲』の続き。
和音島から戻り、怪我の治療と体力回復のために入院していた間に島での出来事を警察に証言し、
やっと退院という時になって、バナナの皮で足を滑らせて階段から転げ落ちてしまった如月烏有。
幸い軽傷ですんだが、頭を打って部分的記憶喪失に陥ってしまった。
時々やってくる女子高生の舞奈桐璃は、自分は烏有の恋人だと主張するのだが、その部分を含めた
和音島での出来事がスッポリと頭から抜け落ちてしまっており、烏有にはそんな実感が全く持てない。
ともかく退院し、創華社での仕事も再開したのだが、そこでとんでもない事に巻き込まれ始めた。
何と、自分の意志に反して、夜中に寺社を放火するようになってしまったのだ。
さらに恐るべき事に、その放火現場からは必ず他殺死体が発見されてしまう。
一体、何処の誰が死体を置いていくのか?そしてどうして放火などというとんでもない事を
やってしまうのか?
そして最後には・・・
夏と冬の奏鳴曲
講談社ノベルズ (1993.8.5)
真宮和音という女優の魅力に憑かれた若者が、一時共同生活したという
日本海に浮かぶ島、和音島。
女優とは言うものの、和音は一本の映画に出演しただけで、世間的には
無名であった。
そしてその映画『春と秋の奏鳴曲』(夏と冬ではない!)は、
たった一週間ほどミニシアターで公開されただけであり、見たものはほとんどいない。
そしてその奇妙な共同生活は、和音の死によって約一年で終了し、
資金をつぎ込んだ若者、水鏡三摩地が島に残り、残りの4人は島から離れた。
そして20年後、和音の死を振り返ろうと、水鏡は散らばった4人を島に集め、
一週間を過ごす予定だと言う。
これを聞きつけた創華社の社長は、準社員の如月烏有に取材を命じた。
あまり行きたくなかったものの、アシスタントとして舞奈桐璃が行くというので、
保護者という気分でやってきた・・・
- I 8月5日
- II 8月6日
- III 8月7日
- IV 8月8日
- V 8月9日
- VI 8月10日
- VII 8月11日
- VIII 8月12日
- エピローグ
翼ある闇
講談社文庫 (1996.7.15)・・・講談社ノベルズ (1993.6)・・・講談社 (1991.5)
名探偵・木更津悠也の元へ、個人宛ての依頼が強迫状とともに舞い込んだ。
依頼主が、京都の北部にある中世ヨーロッパの古城のような蒼鴉城の
今鏡伊都だと知って興味をひかれ、作家である私、香月実朝をともなって訪ねた。
約束の時間に到着すると、警察車両が並んでおり、殺人事件が発生していた。
しかしそれは、ほんの始まりにすぎなかった・・・
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