三浦しをん
1976年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
私が語りはじめた彼は
新潮社 (2004.5.25)
- 結晶
小説新潮2002年10月号
歴史学者である村川の弟子である私は、先生の元へと送られてきた
脅迫状の送り主を探すため、先生の奥さんのところへとやって来た・・・
- 残骸
小説新潮2003年4月号
経済界、そして政界で大物である私の義父。
妻の真沙子と結婚して以来、妻の気に入るように暮らしてきたつもりだ。
それが、どうやら妻は、歴史公開講座の教師、村川と不倫しているらしい。
ついに、村川の妻が乗り込んで来ているところを目撃してしまったのだ・・・
- 予言
小説新潮2003年6月号
世界の終わりには、静かに、ゆっくりと死へと近づいていくのだ。
そう気付いたのは、ある日突然、父親が離婚すると言い出したときだった。
歴史学者だった父は、家の書斎の本はすべてお前にやると言っていたのに、
ほとんど全てを持って、家から出て行ってしまった・・・
- 水葬
小説新潮2003年10月号
依頼人の要求する調査を行って生計を立てている調査員の私、渋谷と
相棒の五反田。もちろんこれらは偽名である。
現在のターゲットは、大学生の村川綾子。
彼女の生活を半年間見張るのが仕事である・・・
- 冷血
小説新潮2003年12月号
女子高の化学の教師である私には、婚約している彼女がいる。
名前は、ほたる。彼女の両親は、彼女が二十歳ぐらいの時に離婚して、
歴史学者の父親は再婚している。
その再婚相手には二人の娘がおり、その姉の方が、自殺とも事故とも
考えられる状況で命を断ったらしい・・・
- 家路
かつての恩師である村田が亡くなった。
恩師の後ろだてをなくしてから、色々努力した結果、何とか当事の
研究生活を続けることが出来ている。
まわりの配慮なのか、訃報欄で初めて彼の死を知った私は、
少し迷ったが、彼の葬式に出席することにした・・・
三四郎はそれから門を出た
集英社 (2006.7.25)
あちこちで発表した、主に本に関する(それ以外のものも含む)エッセイを集めたもの。
- 犬のお散歩新刊情報
雑誌『Gag Bank』で連載
- 三四郎はそれから門を出た
朝日新聞の「中高生のためのブックサーフィン」で連載
- 本のできごころ
紀伊國屋書店のPR誌『i feel』で連載
- 役に立たない風見鶏
雑誌『anan』の「カルチャーファイル」で連載
- 本を読むだけが人生じゃない
雑多な単発エッセイ
- 愛の唄
個別の作品についての書評
妄想炸裂
新書館 (2001.7.10)
2000年度の三浦しをんさんの活動記録。
「しをんのしおり」での文章を中心として、新聞掲載のエッセイ等を含めて
一冊にまとめられている。
全四章構成であり、順に「刺激は何もない」、「妄想旅行」、「愛なき世界」、
「妄想の道」と題がつけられている・・・が、とにかく全体を通して、
妄想、妄想、妄想、妄想ばかりである。(言いすぎ? (^_^;;;)
ロマンス小説の七日間
角川文庫 (2003.11.25)
ロマンス小説(一章〜七章)と、それを翻訳する翻訳者の日常
(一日目〜七日目)が交互に現われ、展開していく。。。
28歳独身の翻訳家、遠山あかりは、海外ロマンス小説の翻訳を
手がけている。
ボーイフレンドの神名とは半同棲生活を送っているが、
最近、どうも歯車が合わないことがある。
会社を突然辞めたり、突然旅に出ると言いだしたり。。。
しかも、自分だけが知らず、まわりの人は既に知っているという状況・・・
そんなささくれた気持ちのまま翻訳を続けているうちに、
翻訳は原作をはなれて創作され、何と主人公を殺してしまった!!!
さて、現実世界はどうなっていくのか。そして翻訳された
ロマンス小説の行方は・・・
風が強く吹いている
新潮社 (2006.9.20)
高校時代に所属していた陸上部でゴタゴタがあり、実力はありながら
部を飛びだしてしまった蔵原走。
陸上では名もない寛政大に入る事になって上京してきたものの、
取りあえずの家賃として親からもらってきていたお金は、
麻雀でなくしてしまい、校庭の片隅で野宿をしていた。
それでも走る事は止められず、一人で走り続けている。
当然お腹がすくが、そこはコンビニで万引をして過ごしていた。
が、そんなある日、万引して逃げているときに、後ろから追いかけてくる
奴がいた・・・
その追いかけている奴が、ハイジこと清瀬灰二。
そして彼に連れていかれたのが、ボロアパートの竹青荘。
そこには、ハイジや走を含めて10人の寛政大生が住んでおり、
その10人が、箱根駅伝を目指すことになる・・・全くの素人集団が・・・
まほろ駅前多田便利軒
文藝春秋 (2006.3.25)
しをんさんの、ハードボイルド短編集(?)
神奈川に突き出すような形で存在するまほろ市。
その駅前の古ぼけたビルに、事務所兼自宅を構える多田啓介は、
曽根田のばあちゃんの予言通り、大忙しになる。。。
高校時代の同級生、行天春彦が、転がり込んできたのだ・・・
- 〇 曽根田のばあちゃん、予言する
- 一 多田便利軒、繁盛中
- 二 行天には、謎がある
- 三 働く車は、満身創痍
- 四 走れ、便利屋
- 四・五 曽根田のばあちゃん、再び予言する
- 五 事実は、ひとつ
- 六 あのバス停で、また会おう
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