森絵都
1968年、東京都生まれ。本名岸本紀子(?)。
DIVE!! 1
講談社 (2000.4.20)
近所の桜木高校にある巨大なコンクリート・ドラゴン。
それを見た瞬間から、坂井和季は、ダイブにのめり込んでいった。
小学校の頃には、多くの仲間がいたミズキ・ダイビング・クラブ(MDC)だったが、
どんどん年令が上がるにつれて、一人また一人と減ってゆき、中学になった今では
陵とレイジだけになっていた。
そこへ、新たにやって来たコーチの麻木夏陽子。
彼女は、和季たちのオリンピック出場にMCDの存続がかかっていると告げた。
そしていろいろあったが、和季はとうとう、前宙返り3回半抱え型を完成させた・・・
DIVE!! 2
講談社 (2000.12.10)
8月に中国で開かれるアジア合同強化合宿参加選考会が始まった。
着実に点数を重ねていく富士谷要一、中学生であり昨年の記録から考えれば
驚異的な点数を重ねてきている坂井和季らに混ざって、白波飛沫も
前半は無難にまとめていた。
それを激しく叱責したのは、コーチの麻木夏陽子であった・・・
DIVE!! 3
講談社 (2001.7.20)
例年とは異なり、早い時期にオリンピック代表の内定を受けた富士谷貴一は、
MDCのCM参加など自分の知らないところで事がどんどん進んでいくのを感じ、
何か違うと悩んでいた・・・
DIVE!! 4
講談社 (2002.8.8)
大阪で開かれた飛び込みの大会。
オリンピック代表選手の最終選考会を兼ねたこの大会に、MDCからは4名出場し、
全員予戦を突破した。
600点以上を取って優勝すれば、オリンピックへの出場権が得られる。
丸山レイジ、坂井知季、沖津飛沫、冨士谷要一の4人は、山田篤彦を初めとする
ライバル選手にまじり、冨士谷敬介、大島、夏陽子、サッチン、弘也、未羽、
恭子、文、その他多勢の見守る中、次々に10メートル下のプールへと
飛び込んで行く・・・
つきのふね
講談社 (1998.7.10)
ずっと親友だった中園梨利と、ここ最近、口もきいていない。
それをいぶかって、ずっと梨利のおっかけをやってきていた勝田尚純君が
最近、やたらとつきまとってくる。
そんなこんなで、心の疲れ切っている私は、植物がうらやましい・・・
アーモンド入りチョコレートのワルツ
講談社 (1996.10.20)
三つのピアノ曲をもとにした、三つの物語。
- 子供は眠る ロベルト・シューマン<子供の情景>
ぼく恭、智明、ナス、じゃがまる、そして章の5人のいとこ同士は、
毎年夏休みに2週間、章のおじさんの持つ日本海側の別荘で合宿生活をする。
朝7時に起きてトイレや洗面、7時半から朝食、8時から9時まで掃除と洗濯、
その後昼まで勉強。そして12時からは自由時間。
夕食は午後7時で、風呂に入った後はまた自由時間。
そして夜の10時、ついに恐怖のクラシック・アワーが始まる・・・
- 彼女のアリア J・S・バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>
九月半ばの球技大会の日、僕は一ヶ月もの間不眠症に悩んでいて、
サッカーをさぼった。
そして一階の連絡通路を渡り、向かいの古ぼけた旧校舎へと向かった。
すると、普段から誰もいないはずのこの校舎の部屋から、ピアノの音が
聞こえてきた。ついに幻聴が始まったのか?
そうではなく、実際に昔の音楽室で誰かがピアノを弾いていた。
それが、藤谷だった・・・
- アーモンド入りチョコレートのワルツ エリック・サティ<童話音楽の献立表>
隣町の高級住宅街の中でもひときわ華やかなクリーム色の洋館で暮らしていた
絹子先生。
一年生の時から彼女の所へピアノを習いに行っていたが、病的な
人見知りだった私も、彼女には心を開く事が出来た。
さらに君絵という友人も出来た。
彼女ほど絹子先生に親しんでいた人はいなかったと思う。
そして中学生になっていたある日、レッスン中に突然、一人の見知らぬ外国人が
部屋に入ってきた。それが、フランス人のステファンだった・・・
永遠の出口
集英社 (2003.3.30)
小中高校、岸本紀子さんの青春の日々。
小学2〜3年の頃の仲良しグループの誕生会、小学5年の時の黒魔女との戦い、
中学入学直前の春休みの大冒険、テニス部と葡萄酒密造から始まった
ちょっとした狂い、万引きをしたりして荒れていた中学1〜2年、
中学3年の頃の両親の不仲を初めとする岸本家の危機、高校1年での
初めてのバイト、高校2年の時の誤解から始まった恋、
スターウォッチャーズとなった高校3年と卒業。
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