森村誠一

1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学英文科卒。 新大阪ホテルを経てホテル・ニューオオタニに勤める。


科学的管理法殺人事件
角川文庫 (1975.5.10)


青の魔性
角川文庫 (1978.6.30)


異型の白昼
角川文庫 (1978.8.30)

父親から譲り受けたコルト45口径M1911A1を託し、自分の夫の殺害を 恋人の宮沢直人に頼んだ忘木瑛子。 ところが、ちょっとした不注意から、宮沢は拳銃を失ってしまった。 ところが、拳銃なしで彼女の夫は死んでしまった。
一方、拳銃を拾った佐良五助は、気に入らない妻を殺害しようとする。 ところが彼は、彼女を殺すかわりに、別の女を殺してしまった。
このように、譲り受けた人の中に潜む殺人願望を、コルトは一度も発射 されることなく実現されていく。 しかし、そのツケは確実に戻ってくるのであった・・・


致死眷属
角川文庫 (1985.11.10)・・・ 講談社(1979.4)

両親に先立たれ、親戚の家でも肩身の狭い思いをしながら育った永瀬雅美と広美姉妹。 ようやく二人とも自立して生活できるようになったすぐ後、広美が、仕事関係で 出会った平沢という男の元へ出て行ってしまった。彼は妻子のある男性である。 喧嘩別れしたため、しばらく二人は連絡を断っていたが、そのうち広美から 何の連絡もないのを心配になった雅美は、広美が一月程前に旅行に出かけたまま 戻って来ていないことを知る。 決心して平沢の職場へ訪ねて行くが・・・


悪の戴冠式
角川文庫 (1986.6.10)・・・ カドカワノベルズ(1983.11)

中小企業の一つであるササキ商会に勤める細川澄枝は、社員のボーナスを 銀行から持って帰って来る途中、タクシーの中に風呂敷を置き忘れた。 その次の日、問題のタクシー運転手が、何者かに殺害されているのが見つかった。
二年後、交通事故が起きた。三台が間隔を開けずに走行中、一台目が急停車し、 それに気付いた二台目は止まったが、三台目が二台目に突っこんだ。 二台目の運転をしていた新村明は、鞭打ちで意識不明となり、その後 意識は回復したが、記憶障害が残った。
両事件の保険金支払いの為の調査をした査定員の千野順一は、保険金詐欺の においを嗅ぎつけ、保険金が支払われてしまった後も、調査を続行した・・・


太陽黒点
角川文庫 (1988.11.30)・・・講談社文庫 (1984.4.15)

浅見隆司は高校時代、先輩の江木啓介に虐げられ、そして今、妻の美和子を 奪われた。しかも彼は、父親が店を騙し取られた八幡商事に勤めているという。 浅見は、妻と離婚し、勤めていた会社を止めて、江木と八幡商事に復讐 すること、、、せめて一矢をむくいることを誓った・・・


死媒蝶
角川文庫 (1987.1.25)

農業に夢を託し、新たな農村を作り上げようと頑張ったが、機械化その他の 波に押されて、とうとう出稼ぎをするようになった大槻敏明。 妻の真佐子は、敏明の母と五歳になる子供と一緒に田舎で待つ生活をしていた。 ところがその年、昨年末にもらった手紙を最後に、敏明からの連絡が 断っているため、自分も東京へ出て、敏明を探しながら働くと言いに、 妹の左紀子に言いにきた。 義母と子供の当座の生活資金、及び東京への旅費を借りにきたのだ。 もう一家心中寸前の状態まで追い込まれているという。。。
ところが真佐子が東京へ出て約一カ月後、彼女は大学教授の波多野精二と 心中したという。良く聞いてみると、偽装心中の疑いがあるという事であった。 左紀子は、姉の死亡の真相を探るために、同じく東京へ出てきた。
その心中があった同じ日、親子喧嘩から誤って父親を突き落してしまったという 119番通報があったという。ところが、10階の窓から突き落したはずの父親の 身体が、どこを探しても見つからないという・・・


通勤快速殺人事件
角川文庫 (1975.5.30)・・・週刊サンケイ (1971)


野性の証明
角川文庫 (1978.3.5)

岩手県下閉伊郡柿の木村の風道という集落の住人全員が殺害された。 正確には、一人だけ八歳の女の子が数日後に隣の村で発見され、一人の ハイキング登山者が巻き添えを食った。 女の子は、両親を失ったショックで記憶喪失を起こしており、数日間は 青い服の男の人と一緒だったと証言した・・・


腐蝕の構造
角川文庫 (1974.5.20)
九月、一般登山者の影が少なくなった北アルプスの北端付近に位置する 後立山連峰を、高校時代の親友、雨村と土器屋は縦走していた。 その時、ベテランなら間違えることは絶対にないが、素人なら迷い込んで しまう可能性のある分岐点の案内板に、土器屋がいたずらをした。 昨夜、予期せず山小屋で出会ったアベックに振られた腹いせに、 彼らが後から付いてきているのを知りつつ、細工したのだ。 途中、雨村は土器屋のいたずらに気付いたが、だいぶ道を進んだ後だったし、 土器屋の「間違うはずない」という言葉につられて、引き返してみることはなかった。 そして彼らが次の小屋に着いた直後から、山の天候は一転して悪化した。 そして、アベックたちはその晩、小屋にはやって来なかった・・・


青春の神話
光文社文庫 (1985.9.15)

甲賀忍者団五十三家の筆頭にあたる望月兵右衛門を祖とする望月家。 その末裔である望月小平太は、江戸大平の世の中にはさほど要求はなく、 ほそぼそと自分の技を磨いていた。 しかし本当のところは退屈し、何とか江戸へ出てやろうと考えていた。 幼なじみのこまきも同じように考えていることを知り、ある台風の夜、 こまきと共に一族から離れることを実行に移した。 その時、二人は竜巻に巻き込まれ、小平太は現在へとやってきた・・・


殺意を飼う女
ケイブンシャ文庫 (1996.2.15)・・・天山出版 (1991.5)・・・(1973)


凶学の巣
新潮文庫 (1984.1.15)・・・ 新潮社(1979.9)


夜行列車
講談社文庫 (1995.12.15)・・・講談社ノベルズ (1994.12)

中瀬正治は、妻に死なれて以来、娘の恵子と二人暮らしである。 恵子ももう短大を卒業し、外資系の銀行に勤め始めて2年になるが、 正治の心配の種は尽きない。 ボーイフレンドか職場の仲間と一緒であれば良いのであるが、 一人であちこちに旅行に行くのが趣味なのである。 そしてその心配が現実になってしまった。 新宿から夜行列車に乗ったまま、戻って来なかったのだ・・・
松平教授の仲人のもと、医者の娘である美矢子と結婚した北里光行は、 初めの頃こそエリートコースに乗ったと思って満足していたが、 そのうちに美矢子が化けの皮を脱いで教授の子供を身ごもるに至って、 退職と離婚を申し出てしばらく休みを取ることにした。 そして信州へと向かう夜行列車で隣合わせたのが、 娘を探しに通う中瀬正治であった・・・


鉄筋の畜舎
講談社文庫 (1975.2.15)・・・「週刊現代」 (1972)

業界新聞の社長、直川雅之の、今年4歳になる息子が、お手伝いの大島信枝と 一緒に早朝出掛けたところを、暴走してきた車にはねられ死亡した。 車は一旦停止したが、そのまま走り去った。 その車は、デパート『赤看板』の社長、保科商平の子供達が街中でレースを していたものであった。 事故から逃げ戻ってきた子供達にあった保科商平は、自分の保身の事を考え、 同じく息子達に引きずられて乗っていた自分の運転手、竹場正吉に 肩代りするように頼み込んだ。 そしてその正吉が、服役中に獄死した・・・


捜査線上のアリア
講談社文庫 (1987.7.15)・・・講談社 (1985.4)

銀行員であった津村豊和は、その内部を書いた小説で新人賞をとり、 たちまちにマスコミにもてはやされるようになった。 そこで銀行を止め、小説家として生計を立てようと考え、脱サラした。 ところがそんな期間は長くは続かず、たちまち編集者からも冷たく 扱われるようになってしまった。 そんな津村が再びマスコミの注目を浴びることになったのは、ホテルで 殺人事件に巻き込まれるという事件であった・・・


新幹線殺人事件
光文社文庫 (1988.10.20)・・・カッパ・ノベルズ (1970.8)

昭和44年10月14日火曜日午後七時五十分頃、まもなく終点の東京駅に 到着しようとしていた新幹線ひかり66号のグリーン車の中で、 男性の死体が発見された。 まだ殺されてからそれほど時間は経っていなかったが、東京駅到着直前で あったため、目撃者はほとんどかかわり合いになるのを恐れて名乗りでなかった。 殺されていたのは、二大芸能プロダクションの一つ、新星プロの事務局長、 山口友彦であった・・・


凄愴圏
中公文庫 (1998.5.3)・・・角川書店 (1990.6)

何事にも関心が持てなく、ただ漠然と浪人生活を過ごしていた三崎渉は、 ある日公園で、近くの女子大のコーラス部がまわりの人々を誘い込んで 合唱しているのに出くわした。 そして三崎も、コーラス部のリーダー、前橋香保里から誘われて、一緒になった。 そしてある日、いつも一緒にいた不良グループのリーダーの上原が、彼女を レイプしようと計画していることを知った。 それを止めさせるには、その前に彼女を誘拐してしまわなければならない... 思い詰めた三崎は、実際に誘拐を計画し、実行した・・・


花刑
講談社文庫 (1989.5.15)・・・講談社 (1985.6)


暗黒流砂
講談社文庫 (1996.3.15)・・・祥伝社ノン・ポシェット (1992.4)・・・祥伝社 (1973)

部下のしでかした不祥事の責任を問われ、長年勤めてきた国土庁の業務部 第二管財課長を止めさせられた梅原直人。 そして、黒幕の罠にはまり、警視庁捜査二課を首になった中津和男。 さらに二人は、その後、共に殺人の罪を被せられようとした。 それは何とか逃れたが、このままだとさらに罪を被せられそうな気配を感じ、 中津は独自に黒幕を暴こうと動きだした・・・


伝説のない星座
光文社文庫 (1989.12.20)・・・カッパ・ノベルズ (1985.7)

兄弟はなく、父は13年前に失踪し、母親も亡くした笛木慎二は、 現在「七里運輸」でトラックの運転手をしている。 一人暮らしにも飽きてしまった彼は、ある日偶然見かけたデートクラブ 「モナリザ」に飛び込んだ。 そこで相手をしてくれた梢と待ち合わせ、翌日、海へ行くことになった。 そして楽しいときを過ごし、再会を約束して分かれた。 だが、後日、聞いていた番号に電話をかけるが、誰も出ない。 どうしてもあきらめきれずに店に行ってみると、無断で休んでいるという。 さらに一週間、電話をかけ続けたところ、妹の菊本渚が出た。 彼女によると、梢は10日ほど前から行方不明なのだという・・・


ホームアウェイ
講談社文庫 (1996.10.15)

狭苦しい都会のアパートから、念願のマイホームを手に入れて 郊外の団地に入居してきた鶴川家の人々。 5LDKの間取りだと、夫婦と子供二人、それぞれが私室を持ったとしても お釣がくる。 さらに、まわりは自然に囲まれ、何もかもがうまくいく・・・はずであった。 ところが、転居してきてしばらくすると、だんだんと問題が持ちあがってきた。 まず、人が増えない。そして今いるのも老人ばかり。 スーパー開店の話もなくなり、診療所や派出所の話も立ち消えになった。 ゴミの回収もままならなくなり・・・


殺人の花客
講談社文庫 (1996.5.15)・・・講談社ノベルズ (1995.4)

新宿区西新宿の超高層のメトロポリタンホテル。 初めてあった瞬間に恋に落ちた二人、別れ話がもつれている二人、 若い娘を相手に遊ぶ初老の地方名士、そして部屋を渡り歩く空巣狙い。 様々な人々が交差するこのホテルの中で、9/20の午前零時過ぎに 男性客が殺害されているのが発見された・・・



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