村上春樹
1949年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。
村上春樹全作品1979〜1989(1)
講談社 (1990.5.21)
- 風の歌を聴け
「群像」1979年6月号
1970年8月、帰省中の話。鼠との出会い、ジェイズ・バー、四本指の女性等々。
- 1973年のピンボール
「群像」1980年3月号
1973年9月から11月、東京の僕と関西の鼠、それぞれの話。
僕は双子の女の子達と同棲し、鼠は一人の女性とつき合う。
僕はスリーフリッパーのスペースシップというピンボールを求め、
ついに対面する。
鼠は、あれこれ悩み、ついに生まれ故郷の街を出て行くことを決めた。。。
羊をめぐる冒険
講談社 (1982.10.15)
1978年の秋の話。
鼠から手紙をもらい、その伝言どおり、同封してあった写真を仕事で使ったところ、
クレームがついた。
山麓の牧場で、羊が映っている写真がいけないと言う。
結局説得され、その写真に映っていた一匹の特殊な羊を探しに行くことになった。
行き先は北海道・・・
螢・納屋を焼く・その他の短編
新潮社 (1984.7.5)
- 螢
「中央公論」昭和58年1月号
15、6年前、僕は寮に住んでいた。同室には、地図の好きな同級生がいて、
そして月に1〜2回の割合で、高校時代の友人の彼女に会っていた。
会っても、あまり話はせず、あたりを歩き回り、喫茶店でコーヒーを
飲むだけという事が多かったが。
その高校時代の友人は、ある日突然自殺して、今はいなかった。
彼女は、自分の言いたいことがうまく言葉に出来ないと言っていたが、
20歳の誕生日、止まることなく彼女はしゃべり続けた・・・
- 納屋を焼く
「新潮」昭和58年1月号
三年前、知り合いの結婚式で知り合った彼女は、アルジェリアで彼氏を
作って帰ってきた。
そんな二人が家へ遊びにきた時、丁度妻はおらず、食事をした後彼女は
眠ってしまったので、彼とマリファナを吸いながら話をした。
彼は、2ヵ月に一度ぐらいのペースで、納屋を焼くのだと言う・・・
- 踊る小人
「新潮」昭和59年1月号
ある日、夢の中で小人に会った。踊りがうまかった。
僕は象工場で働いているが、そこに新人の美しい女の子が入ってきた。
小人は、自分が僕の体に入って踊れば、その女の子を自分のものに出来る
と言った・・・
- めくらやなぎと眠る女
「文学界」昭和58年12月号
仕事が嫌になって辞め実家に戻って過ごしていたところ、いとこが
新しい病院へ行くからついて行ってくれないかと頼まれた。
いとこと一緒にバスに乗り、病院へ着いて、診察の間僕は食堂で待っていた。
その間に、高校時代の友人と一緒に、彼のガールフレンドの見舞いに
行ったときのことを思い出していた。
彼女は、めくらやなぎと眠る女の詩を書いていた・・・
- 三つのドイツ幻想
「ブルータス」昭和59年4月15日号
- 冬の博物館としてのポルノグラフィー
セックス、性行為、性交、交合というそういった言葉、行為、現象から
僕が想像するものは、いつも冬の博物館である・・・
- ヘルマン・ゲーリング要塞1983
昼食時にテレビ塔の近くで知り合った彼に、ベルリンのヘルマン・
ゲーリング要塞を案内された・・・
- ヘルWの空中庭園
ベルリンの東西を分ける壁のすぐわきにある4階建てのビルの屋上に、
ヘルWの空中庭園はあった。屋上から15cmぐらいしか浮いて
いないのだが、確かに宙に浮いた庭園である・・・
村上春樹全作品1979〜1989(1)
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
新潮社 (1990.11.20)・・・新潮社 (1985)
『組織』に所属し、情報を守る立場の計算士である私は、数多くの難関を
突破し、シャッフリングの技術を身につけた、数少ない一人である。
私は、生物学者である老人に雇われ、数値をシャッフリングした・・・
一方の私は、どこから来たのか過去の記憶をなくしたまま、壁に囲まれ
川の流れる町の中で、自分の影を切り離されて、古い夢読みという仕事を
するようになっていた・・・
羊男のクリスマス
精興社 (1985.11.25)
羊男は、クリスマスの歌の作曲を頼まれた。
ところが、いざ作曲をしようとピアノを弾くと、アパートの大屋のおばさんに、
うるさいと言って止めさせられた。
どうしようかと迷っていると、羊博士がやってきて、それはきっと呪われて
いるのだと言った・・・
ノルウェイの森(上)
講談社 (1987.9.10)
『螢』の続篇。最初、この本一度読んだのかと思ってしまった・・・
高校時代の友人の彼女、直子。
彼女の実家を通して手紙をもらい、現在、京都の療養施設で療養中との事だった。
いつでも会いに来て欲しいという手紙をもらい、早速会いにいく。
そこは、まわりの世界からはほぼ完全に隔離されているところであり、
直子はレイコという女性と一緒に暮らしていた・・・
ノルウェイの森(下)
講談社 (1987.9.10)
療養所にいる直子の事を思いつつ、東京では緑という女性と知り合い、
そして彼女の存在がどんどん大きくなっていく。
二度の療養所訪問を経て、回復しつつあると感じていた僕は、
寮を出て一人暮らしをはじめ、直子と一緒に暮らしていければと思っていた。
ところが、レイコさんからの手紙で、自体は一転した・・・
ダンス・ダンス・ダンス(上・下)
講談社 (1988.10.24)
1983年3月から6月頃の話。
全てを失った「僕」は、それでも現実に適応しようと、文化的雪かきをして過ごした。
そしてまた、元に戻るときがやって来た。そう、あのいるかホテルに。
そこで、フロントの女の子(ユミヨシさん)に出会い、羊男と再会し、
13歳のユキと出会った。そして、冒険は始まる・・・
アンダーグラウンド
講談社 (1997.3.20)
1995年3月20日朝に起こった、地下鉄サリン事件。
当時の報道から被害者及びその関係者を探し出し、納得してもらえた人に
インタビューした時のインタビュー内容の記録。
あの時何が起こっていたのか、個人の細かい動きや感じた事、そして個人から見た
消防や警察の動きが克明に描かれている。
約束された場所で
文藝春秋 (1998.11.30)
アンダーグラウンドの後に、逆にオウム真理教の側の人に
インタビューした時のインタビュー内容の記録。
それに加えて、セラピストの河合隼雄氏との対談等をまとめてある。
悪を切り離して捨ててしまうのではなく、それを内に保ち、抱え続けていくのが
大切なのではないだろうか。
不思議な図書館
講談社 (2005.1.31)
学校からの帰り、ふとオスマントルコの税制を調べたくなって立ち寄った図書館。
そこには巨大な地下があり、そこに閉じ込められた僕は羊男と出会った・・・
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