梨木香歩

1959年、鹿児島生まれ。英国に留学。 児童文学者ベティ・モーガン・ボーエンに師事。


からくりからくさ
新潮社 (1999.5.20)

祖母が死んだ後、彼女の住んでいた家に、蓉子、マーガレット、紀久、与希子の 4人の娘たち、、、いや、それに人形のりかさんの5人が暮らすことになった・・・


家守綺譚
新潮社 (2004.1)

物書きをして暮らしている綿貫征四郎は、現在、学生時代亡くなった親友、 高堂の実家に住んでいる。 彼はボート部に所属していたが、山一つ越えたところにある湖で ボートを漕いでいる最中に行方不明になったのだ。 彼の父親が、嫁に行った娘の近くへと行くので、ここに住んで毎日 窓の開け閉めをしてくれないかと頼んできたのである。 物書きというのは、金に不自由する商売であり、月々のものをくれるというのは 正に渡りに船という話であり、とんとん拍子で話が進んだのだ・・・


村田エフェンディ滞土録
角川書店 (2004.4.30)

日本から、土耳古(トルコ)文化研究のために土耳古政府に招聘され、 資料館兼研究所で復元の手伝いをしている私、村田エフェンディ。 住んでいるところは、英国人のディクソン夫人の持つ屋敷であり、 そこには他に、独逸(ドイツ)人考古学者のオットー、希臘(ギリシア)人で 発掘物の調査を行っているディミィトリス、下宿人のために料理や 下働きをしている土耳古(トルコ)人のムハンマド、そしてムハンマドの ひろってきた鸚鵡(オウム)がいた・・・


沼地のある森を抜けて
新潮社 (2005.8.30)

両親は交通事故で死に、ずっと一人暮らしを続けていた上淵久美。 母は三姉妹だったが、その一番下の叔母である時子さんが心臓麻痺で死に、 後に残されたマンションと家宝のぬか床とを譲り受けることになった。 このぬか床には、何かいわくがありそうなのだが、毎日朝晩ぬかを かき回しておけば良いという。 丁度住んでいたマンションを出て行かないとならないところに マンションをもらえるという事だったので、渡りに船と思って引き受けた。 ところがやはり、このぬか床には、深遠なる意味が隠されていた。 運命に導かれ、久美は両親の出身の島へ、そして先祖の故郷へと旅立つ・・・


春になったら苺を摘みに
新潮社 (2002.2.25)

師匠であるベティ・モーガン・ボーエンことウェスト夫人の周辺で過ごした、 イギリスでの生活を綴ったエッセイ。 「理解できないが、受け入れる」という徹底した博愛主義の見本のような 生活を送るウェスト夫人の周りには、自然と(?)奇妙な仲間が 集まってくる・・・


エンジェル・エンジェル・エンジェル
原生林(1996.4.20)

奇数章と偶数章で、別の話が語られる。 しかし、全く関係ないわけはなく、だんだんと相互の位置関係が分かってくる... という構成。 ○ 奇数章
カフェイン中毒女子高生のコウコは、このままコーヒーあるいは宗教に のめり込んでしまってはダメになってしまうと思う。 そんな時、強烈に興味をひかれた熱帯魚を飼うことを考える。 夜中にちょっと痴呆気味のばあちゃんのトイレに付き合うという事と交換に、 熱帯魚を飼うことを認めてもらったコウコは、ばあちゃんと接する機会も 多くなり・・・ ○ 偶数章
近所の教会のシスターに、クッキングを習うさわちゃん。 女学校では、かーこのグループに入っていたが、本当は山本孝子さんこと コウちゃんのグループにあこがれていた。 しかし、かーこはコウちゃんを毛嫌いしていてうまくいかない・・・



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