仁木英之
1973年、大阪生まれ。信州大学人文学部卒業(?)。その間に2年間、北京に留学。
僕僕先生
新潮社 (2006.11.20)
かつて光州無隷県の県令であり、今は引退して趣味の道術探求に励む王滔。
彼には一人の実の息子である王弁がいるが、一日中何もせずぼぉっとすごしている。
昔は、父親に言われて勉学に励んでいた事もあったが、贅沢をしなければ
彼一人ぐらい、一生遊んでいても困らないだけの財産が家にあることを
知ってしまったからである。
そんな彼のぐうたらぶりを何とかしようと、ある日、王滔は王弁に、
最近仙人が住まわれたと聞く黄土山へ、供物を届けてくるように言った。
あまり乗り気にはならないものの、うまく丸め込まれてしぶしぶ出発する王弁。
そして黄土山で出会った仙人は、性が僕、名も僕という僕僕先生であった。
しかも、自分よりも頭一つ小柄な少女である・・・
薄妃の恋
新潮社 (2008.9.20)
5年ぶりに師匠僕僕と再会した王弁は、南へと旅に出る・・・
- 羊羹比賽(ようかんひさい) 王弁、料理勝負に出る
珠鼈と共に江陵府へとやってきた僕僕と王弁。
ここでは、祭りの最終日に料理大会が開かれる。
そこへ出ろと、王弁は命令された・・・
- 陽児雷児(ようじらいじ) 雷神の子、友を得る
譚州長沙城近くまでやってきた僕僕と王弁。
ところが、長沙城を包み込むように雲が低く垂れ込めている・・・
- 飄飄薄妃(ひょうひょうはくひ) 王弁、熱愛現場を目撃する
醴陵までやってきた僕僕と王弁。そこで男女の情交の現場を目撃する・・・
- 健忘収支(けんぼうしゅうし) 王弁、女神の厠で妙薬を探す
南嶽衡山、そして湘潭へとやってきた僕僕と王弁、そして薄妃。
そこで、健忘症にかかってしまったという薬種屋の主とその弟、
そして主の妻に出会う・・・
- 黒髪黒卵(くろかみこくらん) 僕僕、異界の剣を仇討ちに貸し出す
衡州の中心都市、衡陽へとやってきた僕僕・王弁・薄妃の一行。
そこで、我がもの顔に振る舞う黒卵という漢人が、
苗の二人組に喧嘩を売っているのを見かけた・・・
- 奪心之歌(だっしんのうた) 僕僕、歌姫にはまる
永州の零陵へとやってきた僕僕・王弁・薄妃の一行。
そこで、僕僕さえも我を忘れて聞き入ってしまう歌姫に出会った・・・
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