西澤保彦
1960年生まれ。米エカード大学卒業。
七回死んだ男
講談社文庫 (1998.10.15)・・・講談社ノベルズ (1995.10)
「反復落し穴」という特質を持った高校一年生の大庭久太郎。
突然ある一日が、何度も繰り返すことになるのである。
午前0時から午後12時までの反復を、合計9回繰り返し、
その最後の回で、その後の運命が決まっていく。
もちろん、こんな現象について他人が気付くはずもなく、
知覚しているのは久太郎一人である。
これまで久太郎はこの特質を、それなりに有効活用してきた。
例えば高校入試を初めとする試験、あるいは女の子の気をひくこと。
しかしどれも、その後が続かないのであまりうまくいかない。
というわけで、最近はこの特質がうっとうしく感じられているのである。
そしてその正月の日に、久太郎はまた反復落し穴に落ちてしまった。
ところが今回は、なんとその反復落し穴の日に、祖父の渕上零治郎が
殺害されてしまうのである。
そしてその祖父は大変な資産家であり、ややこしい相続が絡んでくるのである。
父親がクビ寸前の久太郎は、何とか祖父を救おうと奔走する事になった・・・
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