小川洋子
1962年、岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。
博士の愛した数式
新潮社 (2003.8.30)
80分間しか記憶の持たない数学博士。
彼の元へと家政婦として派遣された私は、初めは戸惑いつつ、だんだんと
慣れていった。
仕事は簡単だったし、時には数学を教えてもらうことも出来た。
そしてあるきっかけから、10歳の息子が学校からの帰りにこの家へ
寄るようになった・・・
妊娠カレンダー
文藝春秋 (1991.2.25)
- 妊娠カレンダー
「文學界」平成2年9月号
妊娠して、つわりがおこり、それが突然収まって、食欲旺盛になり、
どんどん太っていく姉を眺めている妹の私の書いた日記。
- ドミトリイ
「海燕」平成2年12月号
夫は、スウェーデンへ行っている。
そのうち準備が整ったら、私も連れて行かれる予定だ。
そんな時、ずっと年下のいとこから、急に電話がかかってきて、
学生寮を紹介して欲しいと言う。
そして、私は彼に、かつて自分の借りていた学生寮を紹介した。
そこの管理人さんは、両手と左足のない男の人だった・・・
- 夕暮れの給食室と雨のプール
「文學界」平成3年3月号
結婚を決め、引っ越しをしてきた私。
両親や親戚には反対された結婚だったから、荷物はほとんどなかった。
一匹の犬と、使い古した洋服ダンス、ライティングテーブルにいくつかの
ダンボールで終わりだった。
結婚までの三週間に、家を片付ける予定だ。
次の日、風呂場にペンキを塗っていると、一人の男性と子供がやってきた・・・
科学の扉をノックする
集英社 (2008.4.30)
筆者が、著名な科学者を訪ねて話を聞き、思ったことをまとめたもの。
- 1章 宇宙を知ることは自分を知ること
渡部潤一と国立天文台にて
- 2章 鉱物は大地の芸術家
堀秀道と鉱物科学研究所にて
- 3章 命の源”サムシング・グレート”
村上和雄と山の上のホテルにて
- 4章 微小な世界を映し出す巨大な目
古宮聰とスプリングエイトにて
- 5章 人間味あふれる愛すべき生物、粘菌
竹内郁夫と竹内邸にて
- 6章 平等に生命をいとおしむ学問”遺体科学”
遠藤秀紀と国立科学博物館分館にて
- 7章 肉体と感覚、この矛盾に挑む
続木敏之と甲子園球場にて
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