塩野七生

1937年7月7日、東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。


ルネサンスとは何であったのか
新潮社 (2001.4.15)

「見たい、知りたい、分かりたい」という欲望。 そのためには、いろいろな創作をする事が非常に有効な手段となる。 そして、この欲望の爆発が起こったのが、13〜16世紀のイタリアを 中心とするルネサンス。 その仕組みを当時の時代背景を元に、フィレンツェ、ローマ、ヴェネチィアと、 ルネサンスの移っていった経路を辿りながら分かりやすく解説。


ルネサンスの女たち
新潮社 (2001.6.30)・・・中央公論社 (1968..)

15世紀終わりから16世紀初めにかけて、ルネサンスの時期のイタリアに 生きていた4人の女性の伝記(?)


チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
新潮社 (1970.3.10)

法王アレッサンドロ六世とヴァノッツァ・カタネイとの子供である チェーザレ・ボルジア。 若い枢機卿として未来を約束された立場につきながら、 それに満足できずに教会軍総司令官としてイタリア全土を 支配下に収めようと動いた彼の生涯を描く。


海の都の物語(上)
新潮社 (2001.8.30)・・・中央公論社 (1980..)

海の都ヴェネツィア共和国の、興隆期を描いた小説風歴史解説書。


海の都の物語(下)
新潮社 (2001.8.30???)・・・中央公論社 (198?..)

海の都ヴェネツィア共和国の、没落期を描いた小説風歴史解説書。


神の代理人
中央公論社 (1972.12.20)

イタリアルネサンス期に、神の代理人すなわち法王となった 主な四人についての物語。 通常の物語風の章の他、通信分や年代記、日記のみから構成されている章、 会話で進められる章など、様々な手法で書かれています。


わが友マキアヴェッリ
中央公論社 (1987.9.25)

マキアヴェッリの生涯を描きながら、ほぼ同時代になる ロレンツォ・デ・メディチ以降のフィレンツェ共和国の歴史を書いている。


ローマ人の物語I ローマは一日にして成らず
新潮社 (1992.7.7)

紀元前753年に建国された、古代ローマ帝国が、紀元前270年に ルビコン川以南のイタリア半島を統一するまでの歴史を紹介。 建国後、第七代までの王政を経て紀元前509年には共和政へと移行し、 近隣諸国との戦争と講和、そしてその間の貴族対平民間の抗争に明け暮れる。 そんな時にやってきた、ケルト民族によるローマ占拠は、 紀元前367年のリキニウス法成立とともに収まっていく。 その後、サムニウム族との戦争、南伊ギリシアのターラントとの戦争、 エピロスの王ピュロスとの戦い等を経て、イタリア半島統一に至る。


ローマ人の物語II ハンニバル戦記
新潮社 (1993.8.7)

紀元前264年に始まった第一次ポエニ戦役から、紀元前146年のカルタゴ滅亡まで 約130年間の古代ローマの歴史を紹介する巻。 紀元前264〜241の第一次ポエニ戦役で、カルタゴをシチリア島から追い出した 古代ローマ共和国は、イリリアやガリアとの小競り合いはあったものの、 概ね平和な時を迎える。 その後、紀元前219年〜216年の第二次ポエニ戦役では、当初、カルタゴの ハンニバル軍に大いに振り回されるも、彼との直接対決を徹底的に避けることで だんだんと挽回していく。 そしてついには、スキピオがハンニバルをイタリアから遠ざけることに成功し、 さらにアフリカへまでも攻め入って勝利を収めた。 そして、紀元前167年にはマケドニア王国を滅ぼし、紀元前146年には カルタゴを滅亡させた。


ローマ人の物語III 勝者の混迷
新潮社 (1994.8.5)

カルタゴ滅亡により、実質的に地中海を内海にした後、 カエサル登場までの約70年の古代ローマの迷走時期を紹介する巻。 もちろん小競り合いはあったものの、 基本的には外に敵のいなくなった古代ローマ。 次の強力な敵は、国内に次々と出てくる・・・


ローマ人の物語IV ユリウス・カエサル ルビコン以前
新潮社 (1995.9.30)

ユリウス・カエサルの伝記、その1。 生まれる前から青年前期あたりまでは、前巻と重複する部分も多い。 カエサルと共に三頭政治を担う、ポンペイウスやクラッススは、既に活躍。 カエサルは、大器晩成型?40歳を過ぎてから活躍を始める。 執政官をつとめた後、ガリア属州総督として北伊・南仏のガリア地方に派遣され、 『ガリア戦記』で有名なガリア戦役を戦う。 その間、「カエサルの長い手」を使ってローマをも操作しようとするが 完全には成功せず、ついに軍を解散せずに、ルビコン川を渡って国内へと進入・・・


ローマ人の物語V ユリウス・カエサル ルビコン以後
新潮社 (1996.3.30)

ユリウス・カエサルの伝記、その2。 ルビコン川を渡った後のカエサルのポンペイウス追撃(『内戦記』)、 ポンペイウス死後の残党の始末(『スペイン戦役』、『アフリカ戦役』)、 それを終えた後のローマ共和国の改革(政治、経済、社会)、 そして暗殺後のアントニウスとオクタヴィアヌスの争いと、 プトレマイオス朝エジプトの滅亡までを記載。


ローマ人の物語VI パクス・ロマーナ
新潮社 (1997.7.7)

アクティウムの海戦にて、アントニウス・クレオパトラ軍を破り、 プトレマイオス朝エジプトを倒して内戦を終結させたオクタヴィアヌスが、 その後、どのようにしてローマ共和国をローマ帝国へと変えていったか、 オクタヴィアヌス、すなわち初代皇帝のアウグストゥスの死亡までを記載。


ローマ人の物語VII 悪名高き皇帝たち
新潮社 (1998.9.30)

アウグストゥスの死後を引き継いだ、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、 ネロの各皇帝の時代を記載。 アウグストゥスの遺思を引き継いで、ユリウス=クラウディウス朝とも呼べる 血縁関係を持つ皇帝たちが続いた。 これらの4人は、それぞれ個性ある統治を行う。


ローマ人の物語VIII 危機と克服
新潮社 (1999.9.15)

ネロの死後、五賢帝の開始まで(正確には五賢帝の最初のネルヴァまで)。 混乱の中、皇帝が次々と乱立し、それがやっと収まっていくまでの 約30年間のローマ帝国の歴史。 何もしないガルバ、皇帝についた時期が悪かったオトー、 いらん事をするヴィテリウス、慎重なヴェスパシアヌス、 自然大災害続きの不運皇帝ティトゥス、 僅かな判断から記録抹殺刑を受けたドミティアヌス、 そしてショートリリーフのネルヴァ。 第四章は、この時期に帝国辺境域で起こったライン川周辺のガリア帝国事件、 そして東方のユダヤ戦役について書かれている。


ローマ人の物語IX 賢帝の世紀
新潮社 (2000.9.30)

五賢帝の中でも中心となる三皇帝の時代のローマ帝国の歴史。 公共事業推進のトライアヌス、各地歴訪のハドリアヌス、 何もしないアントニヌス・ピウス。 ローマ帝国の全盛期の記録です。


ローマ人の物語X すべての道はローマに通ず
新潮社 (2001.12.20)

ローマ帝国におけるインフラの整備に関してまとめたもの。 街道、橋、水道等のハード的なインフラと、医療、教育等のソフト的な インフラとに分けて、それぞれについて、及び相互の関係について解説。 このシリーズ中では異色の巻になっており、後半にはカラー写真のページ付き。


愛の年代記
新潮社 (2003.9.25)・・・新潮社 (1975.3)

イタリアを中心とした、歴史に埋もれてしまいそうな(でも記録が残って 完全には埋もれてしまってはいない)人物の話をまとめた短編集。


ローマ人の物語XI 終わりの始まり
新潮社 (2002.12.10)

後に五賢帝と呼ばれる最後の皇帝のマルクス・アウレリウスから、 その子コモドゥス、そして内乱の時代をはさんでセプティミウス・ セヴェルスの時代まで。 つまり、『ローマ人の物語X』の続きです。 マルクスがこの巻(終わりの始まり)に入れられている通り、 塩野さんによるともうこの時代から、あるいはもっというと もう一代前のアントニヌス・ピウスの時代から、 ローマ帝国の崩壊は始まっていたのだった・・・


ローマ人の物語XII 迷走する帝国
新潮社 (2003.12.15)

カラカラ帝からカリヌス帝(ディオクレティアヌス帝の前)までの3世紀の皇帝の時代。 73年間に22人の皇帝が生まれる、三世紀の危機の時代。 これまで同様、善帝も悪帝もいたが、一度悪い方向へ転がり出したローマ帝国は、 長所が隠れ、短所が目立つ展開となる。 ローマに一度も足を踏み入れることなく死んでしまう皇帝、 蛮族との戦いで戦死する皇帝、敵の捕虜になってしまう皇帝が出、 属州のみならずイタリア半島にまで蛮族が侵入して来る。 そして、パックスロマーナが崩壊する事により、経済状態は悪化し、 郊外は放置されて荒れ、都市に人口が流れ込むものの生活水準は上がらず、 これらがキリスト教の広まる原因となる・・・


ローマ人の物語XIII 最後の努力
新潮社 (2004.12.25)

ディオクレティアヌス及びコンスタンティヌスの2皇帝の時代。 王政、共和制、帝政と変わってきたローマ。 帝政も最後の時期に入り、独裁制となる。 それによって、ローマ帝国の建て直しをはかろうとした二人であったが、 その方法は大きく異なっていた。 ディオクレティアヌスは四頭政による安全確保、コンスタンティヌスは 分割された状態を統合して新帝国を目指す。 だが、彼らの努力によっても、もう崩壊は食い止められなかった・・・


ローマ人の物語XIV キリストの勝利
新潮社 (2005.12.30)

コンスタンティヌス大帝の死後、皇帝テオドシウスまでの四世紀中〜後期。 ユリアヌスを除くこの時代の皇帝たちは、意識的、あるいは無意識のうちに キリスト教を保護、そして振興していく事になる。 そして最後に、ローマ帝国の国教とするのに大きな影響を与えたのは、 ミラノ司教であった聖アンブロシウスであった・・・


ローマ人の物語XV ローマ世界の終焉
新潮社 (2005.12.15)

紀元395年1月の、皇帝テオドシウスの死後のローマ帝国、 そして、そのローマ帝国の滅亡後の世界を取り扱ったシリーズ最終巻。 (西)ローマ帝国は、ひっそりと死んでいった・・・


漁夫マルコの夢
ポプラ社 (2007.9.10)

ヴェネツィアの沖にある島リドに住む16歳の漁夫マルコ。 いつもは獲物を親方に預け、ヴェネツィアの街の朝市で売ってもらうのだが、 その日は親方の都合がつかずに、自分で持って行くことになった・・・



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