山口真美
中央大学文学部卒業。
正面を向いた鳥の絵が描けますか?
空間という3次元世界を、2次元世界の絵の中に閉じ込める。
これは非常に難しいことである。
そしてその難しさには、両眼があるという事から生じている。
しかしその両眼があるからこそ、人間は空間を把握できる。
その空間の把握も、実は目に映る映像のみから得ているのではない。
そこには脳の働きが大きく関与してきている。
つまり、人間は見ようとする対象のみを見、背景は無視しようとする。
例えば物体を、いろいろな方向から見たときに、同一の物体だと
認識するのは非常に難しい。
脳は、これまでの経験からなるものさしを持ち、それと合わせて
様々な状況を判断する。
こういった目と脳の複雑な働きは、人間は先天的に持っているのか、
それとも後天的に身につけるのか?
赤ちゃんを使った様々な実験を通して、現在、これらのいろいろな事が
分かってきつつある・・・
- 第1章 2次元世界は得意ですか?
- 第2章 絵の素質ってあるの?
- 第3章 似顔絵・人相判断…… なぜ私たちは顔にこだわるのか
- 第4章 美人と童顔は得をする?
- 第5章 審美眼は脳にある
- 第6章 形……目ではなくて心で見る
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