森博嗣
1957年、愛知県生まれ。国立某大学の工学部助教授。
森博嗣の浮遊工作室
すべてがFになる
講談社ノベルズ (1996.4.5)
十四歳のとき、両親を殺害した疑いで捕まり、裁判で無罪を勝ち取った
天才工学博士、真賀田四季。
現在は、外界との交流をたち、孤島の研究施設の地下二階に閉じこもっている。
出入り口は一ヶ所で、そこは24時間体制で録画され、画像は保存されている。
十五年間で出入りした人数は、数えるほどしかなく、ここ1年程度は
誰も出入りしていないのであった。
N大学工学部の助教授犀川創平と教え子の西之園萌絵が訪れたその日、
その出入り口が自動的に開き、その中から四季の死体が搬送用ロボットに乗って
出てきた・・・
冷たい密室と博士たち
講談社ノベルズ (1996.7.5)
犀川創平助教授は、教え子の西之園萌絵とともに、創平の高校時代からの親友、
喜多北斗助教授の所属する極地研の新しい実験施設へ見学に出かけた。
実験は滞りなく終了し、その後打ち上げをした。
その時、図書室の司書である鈴村春江が、院生の丹羽健二郎を探しに来た。
彼の車が彼女の車の前にとめてあって、車が出せないので帰れないと言う。
ところが彼は、打ち上げには最初から参加していなかった。
彼を探しまわった研究室の職員と学生たちは、実験室の準備室内で死んでいる、
同じく打ち上げにはいなかった服部珠子の死体を発見した。
その後、その奥の搬入室内で倒れて死んでいる丹羽も発見した・・・
笑わない数学者
講談社ノベルズ (1996.9.5)
天才数学者、天王寺翔蔵の住む三ツ星館では、毎年クリスマスパーティーが
行なわれる。
今年はそこへ、犀川創平助教授と西之園萌絵が招待された。
ここでは、庭に立つ大きなブロンズのオリオン像が突然消えるという話がある。
これは、博士が出題したもので、解けたものを天王寺家の跡取りにするという。
そのクリスマスの夜、銅像が消えるとともに、招待客の一人が殺害されていた。
そして、彼女の部屋からは、彼女の息子の死体が発見された・・・
詩的私的ジャック
講談社ノベルズ (1997.1.5)
S女子大学校内のログハウス内で、T大の女子学生が殺害された。
その二か月後、T大の液体窒素のポンプ小屋内で、S女子大学の学生が殺害された。
どちらも、服や靴を取られ下着姿であり、腹部に切傷がつけられていた。
しかも、いわゆる密室であった。
その後さらに・・・
封印再度
講談社ノベルズ (1997.4.5)
岐阜県の旧家、香山家に伝わる「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」は、
匣の鍵が瓶(瓢)の中に入っており、瓶の口は狭くて取りだせないようになっていた。
そして、約50年前、画家であった香山風采が仕事場にしていた自宅の倉で
自殺していた時に、そばに発見されたものであった。
ただし、凶器が発見されていなかったが・・・
犀川の姉、儀同世津子からその話を聞いた西之園萌絵は、さっそくその旧家を
訪れた・・・
まどろみ消去
講談社ノベルズ (1997.7.5)
- 虚空の黙祷者
二歳になる息子の友太が熱を出し、深夜に病院へ担ぎ込んだミドリ。
その日以来、夫は蒸発してしまった。
しかも、同じ町内の寺の住職の殺人容疑をかけられたまま・・・
- 純白の女
夫は、妻である自分が浮気をしたと思いこんで、一人の青年を殺害し、
投獄されている。。。そう思いこんでいる彼女は実は、、、
- 彼女の迷宮
朝倉サキは、数学者である夫の書く小説中の人物に嫉妬し、
夫の出張中に送って来る原稿を勝手に書き換えて編集者に渡していた・・・
- 真夜中の悲鳴
材料工学先攻のドクターの学生スピカは、騒音の少なくなる真夜中に
実験をしていた。当時学内では、物騒な事件がたて続けに起きていた・・・
- やさしい恋人へ僕から
大学二年の夏、初めて会ったスバル氏。そのスバル氏は、今の私の・・・
- ミステリィ対戦の前夜
大学のミステリー研究会に所属している西之園萌絵。
幽霊部員であったが、いろいろな意味で有名人であり、部員の競作の
審査員として岡部に説得されてやってきた・・・
- 誰もいなくなった
ミステリーツアーと題する企画に参加した浜中フカシと牧野ヨーコ。
近くのマンションの屋上から30人のインディアンが踊るのを見た後、
その舞台から彼らが消え去った。
もちろん、その舞台に出入りした人物は一人もいない・・・
- 何をするためにきたのか
甲斐田フガクは、大学に入学してきたが、何のために大学に
やってきたのか、その理由をつかみ切れていなかった・・・
- 悩める刑事
三枝モリオは、通勤バスの中で悩んでいた。
このまま仕事を続けていいのかどうか。。。
そして今日ついに、彼は辞表を出してきてしまった・・・
- 心の法則
モビカ氏とは、三回しか会ったことはない。
一度目は一年程前喫茶店で。二度目は夢の中で。今回は三度目だ。
前回彼との話題は、「心の法則」というものであった・・・
- キシマ先生の静かな生活
キシマ先生は、僕が大学のM1の時に初めて知った。
先生とは不思議と周波数があって、いろいろ教えていただいた。
彼は間違いなく天才で、尊敬に値する学者であった・・・
幻惑の死と使途
講談社ノベルズ (1997.10.5)
マジシャンの有里匠幻が、脱出マジックの最中に殺害された。
テレビ収録の最中、そして大勢の観客の目の前で。
さらに、その葬式で、彼の遺体が突然消えた。
彼は、死んだ後まで得意の脱出マジックを使ったのか???
さらに彼の後をついで、爆破して壊すビルから脱出するというマジックをした
愛弟子の有里ミカルが、脱出直後に殺害された・・・
夏のレプリカ
講談社ノベルズ (1998.1.7)
簔沢杜萌は西之園萌絵と別れた後、地下鉄を乗り継いでタクシーで実家に向かった。
ところが帰ってきてみると、お手伝いの佐伯千栄子だけがいた。
両親と姉は、急用で外出したらしい。。。
ところが、次の日になっても誰も戻って来なかった。お手伝いさんも来ない。
そのかわり...不審者が侵入していた。
彼は、杜萌にピストルを突きつけ、電話に応対した後で車で別荘に行くように
指示した・・・
今はもうない
講談社ノベルズ (1998.4.5)
笹川氏は、フィアンセの知り合いの橋爪家の別荘に招待されていた。
パーティーやら話やらに飽きて外を散策していたら、白いドレスを着た女性と
出会った。
彼女は隣りの別荘の人だったが、すぐに雨が降りそうな中、自分の別荘には
絶対帰りたくないため、これから歩いて山を降りると言う。
そんなことをしたら遭難してしまうと思い、自分の招待されている別荘へと
連れて帰ってきた。彼女はその日は橋爪家の別荘に泊まることになった。
そしてその夜、招待客のうちの二人の姉妹が、別々の密室の中で死んでいるのが
見つかった・・・
数奇にして模型
講談社ノベルズ (1998.7.5)
十一月下旬、国立M工業大学の社会人入学した大学院生、寺林高司は、
模型交換会の準備に追われていた。
そんな時、彼の共同研究者である学生の上倉裕子が、実験室で殺害された。
この実験室は、裕子自身と彼女の死体を発見した河嶋慎也助教授、それに寺島高司
のみが鍵を持っていた。
一方寺島自身は、翌朝、模型交換会の準備室の中で、モデルの筒見明日香の
死体の側で気を失っているのを発見された。
この準備室にも鍵がかかっており、しかも、明日香の死体は首から上が切断され、
どこかへ持ち出されていた・・・
有限と微小のパン
講談社ノベルズ (1998.10.5)
日本最大のソフトメーカー「ナノクラフト」のある長崎のテーマパークを訪れる
ことになっていた、N大学工学研究科犀川研究室の人々。
先発隊として乗り込んでいた、西之園萌絵、牧野洋子、反町愛の三人は、
殺人事件に巻き込まれる。
まず萌絵は、招待した側の人物でありナノクラフト社長の塙理生哉と会い、
そこで意識を失っている間に運び込まれた暗い部屋で、真賀田四季博士と出会った。
その後、犀川先生と連絡を取り合い、警察へ連絡している間に、ナノクラフトの
社員である松本拓也がホテルの前の教会の中で殺害された。
ところが、警官を呼びに行っている間に、死体は宙を浮いて天井の窓から
運び出されてしまったと言う。後には、彼の腕が一本だけ残されていた・・・
地球儀のスライス
講談社ノベルズ (1999.1.8)
- 小鳥の恩返し
『メフィスト』'97年12月号
急死した父親の病院を継ぐために、大学病院を辞職してきた島岡清文は、
看護婦の綾子と結婚した。
彼らは以前一度、親の反対で結婚をあきらめた仲であった。
父親の英夫は、急患の手当てをした後、その患者に殺害されたという。
その患者は、父を殺害した後、逃げ去っていた。
当時、病院には綾子しかおらず、父親の殺された部屋には、白い小鳥が
残されていた・・・
- 片方のピアス
『メフィスト』'98年10月号
トオルとつきあっていたカオルは、ある日双子の弟であるサトルを
紹介された。
トオルは、人あたりの良い人物であったが、サトルは、全く逆であった。
しかしカオルは、そんなサトルに惹かれていく・・・
- 素敵な日記
『メフィスト』'98年5月号
その日記は、記録した後その人が眠ってしまうと、次の日、その人は
殺害されるという事が続いていた。その日記の正体とは・・・
- 僕に似た人
友達のまあ君、まあ君のお父さんとお母さん、僕のお父さんとお母さん、
蟻、人間、、、似ているものや区別のつかないもの。
どうしてそうなっているのだろう???
- 石塔の屋根飾り
『ポンツーン』第1号
犀川先生が、萌絵のマンションに食事に招かれたときにした話。
昔、萌絵の父親、そして犀川先生の恩師である西之園恭輔博士が、
インドのロック・アーキテクチャを調査した。
それは、一枚の大きな岩盤をくり抜いて一つの大きな建築物を作ったもの
である。ところが、人里から近いその石塔は、屋根の上の飾りが、
建物の横に作られていた。これは一体・・・
- マン島の蒸気鉄道
『メフィスト』'98年12月号
西之園萌絵のおばさんの睦子は、イギリスのマン島に別荘を持っていた。
そこでパーティーが行われ、犀川を初め喜多や大御坊が招かれていた。
そのマン島では、三本足のシンボルが、町のあちこちに使われていた。
しかし、どれもが右から左へと向かうものであった。
ところが、萌絵のおじさんが、咋夏に撮った写真では、機関車に
ついているその模様が反対であった。その理由は・・・
- 有限要素魔法
彼女は彼と、非常に楽しい時を過ごしていた。
なのに突然、彼は、拳銃を取り出し、自分の頭に向けて発射した。
あっというまの出来事であった・・・
- 河童
『小説すばる』'98年5月号
日下部淳哉は大学生の時、其志朗という友人がいた。
当時日下部は、一軒の農家の離れを借りていた。
彼はそこで本を読み、其志朗はバイクでやって来て彼の読書の様子を
眺めて過ごすという事が多かった。
その農家には、亜依子という一人の娘がいた・・・
- 気さくなお人形、19歳
ある夕方、小鳥遊練無がバイトへ行こうとすると、一人の大男に呼び
止められた。誘われるまま、道端に止まっていたロールスロイスに
行ってみると、一人の老人がいた。
彼の話によると、彼と遊んで一緒の時を過ごすというアルバイトを
して欲しいという。特に何もすることはないが、時給3000円を払うと言う・・・
- 僕は秋子に借りがある
『小説すばる』'98年8月号
僕が学食でラーメンを食べていると、一人の女の子が向かいに座って、
午後少し付き合ってくれと頼まれた。
そんなつもりはなかったのだが、何となく成り行きで、彼女に付き合う
ことになった・・・
黒猫の三角
講談社ノベルズ (1999.5.5)
6月6日、桜鳴六画邸でそこの奥様である小田原静江さんの誕生日パーティーが
開催された。
夫の政哉、子供の理沙と朋哉、居候の瀬在丸紅子、その執事である根来機千瑛、
哲学者の東尾繁、大学助手の浅野美幸、そして、紅子に誘われて香具山紫子が
出席した。
その途中、静江は自分の部屋に入ったが、その中で絞殺されてしまった。
実はその直前、静江は脅迫状を受け取り、自分の警護を探偵の保呂草潤平に
依頼し、彼は大学生の小鳥遊練無と香具山紫子に頼んで三人で見張っている
最中に殺されたのだ。密室であった。
この殺人には過去からの継続があり、3年前の7月7日に11歳の小学生が、
2年前の7月7日に22歳の女子大生が、1年前の6月6日に33歳のOLが
同じ方法で殺害されてきており、静江は丁度44歳の誕生日であった・・・
人形式モナリザ
講談社ノベルズ (1999.9.5)
小鳥遊練無が夏休みにバイトをした、長野県諏訪湖近くの美娯斗屋という
ペンションへ、保呂草潤平、香具山紫子、瀬在丸紅子の三人が遊びにやって来た。
そこへ偶然、紅子の元夫である林、及びその部下かつ愛人(?)である祖父江七夏が
休暇でやって来ており、やはり偶然に出くわした。
そして、そのペンションの近くにある人形博物館で、殺人未遂、及び殺人事件が
発生した。
乙女文楽の舞台上で、岩崎麻里亜が毒物で倒れ、その混乱の隙に、矢倉の上から
紐を操っていた岩崎雅代がナイフで殺害されていたのだ・・・
月は幽咽のデバイス
講談社ノベルズ (2000.1.5)
那古野市東部の住宅地にある篠塚邸。
そこのお嬢さま莉英と瀬在丸紅子とは、小さい頃からの友達だった。
ある日、莉瑛が婚約発表をするパーティーを開くという。
そこへ偶然、美術商の森川美紗と、最近ふと知り合った保呂草潤平とが
招かれることになった。
紅子から小鳥遊練無の噂を聞いた莉瑛は、是非彼に会いたいと言いだし、
彼、香具山紫子、そして森川素直が途中から呼ばれることになった。
そして、呼ばれる直前、殺人事件が発生した。
オーディオルームと呼ばれる、音響効果を追求した部屋で、招待客の一人である
歌山佐季が、頭から血を流し、乱暴に振り回されて引っ掻き回されたような
状態で発見されたのだ。
しかもその状況は、いわゆる一種の密室であった・・・
森博嗣のミステリィ工作室
メディアファクトリー (1999.3.18)
ミステリィ100冊、自作のあとがき、各種コラムやエッセイ、漫画等。
100冊は、今後の参考にしようと思う。
でも、『まどろみ消去』の説明文、
「全体として、『まどろみ消去』は最も森らしい作品となった。どれか1冊だけ
自分の本を薦めるとしたら、迷わずこれを選ぶ。逆に、本作が馴染まない読者
は、森の作品に見切りをつけた方が良いだろう。森の持っている可能性の大多数
が、既にここにあるからだ。」
これは、、、見切りをつけた方がいいのかもしれない・・・
夢・出逢い・魔性
講談社ノベルズ (2000.5.5)
香具山紫子の応募が通り、彼女と瀬在丸紅子、小鳥遊練無の三人は、
あるテレビのクイズ番組に出場することになった。
そこへ保呂草潤平も適当な用事を作り、一緒に東京へとやって来た。
一日目は説明を兼ねたリハーサル、二日目は本番の予定であった。
ところがリハーサルの日、その番組のプロデューサの柳川が殺害された。
部屋は、いわゆる密室。
アイドルタレントの立花亜裕美が出入りしたことが目撃されていたが、
花火のような音がしたのは彼女の出てきた後であった。
そして、音は一回。ただし、柳川の体に残されていたのは、二つの銃による
傷口であった・・・
魔剣天翔
講談社ノベルズ (2000.9.5)
小鳥遊練無には、関根杏奈というパイロットの先輩がいた。
彼女は、彼が少林寺を始めたきっかけとなった人であり、女装するように
なったのもそのためだろう。
それはともかくとして、最近彼女はフランスから帰国し、日本で曲芸飛行を
することになり、その招待チケットを練無はもらった。
そしてその当日、実際の曲芸飛行中に編隊を組んでいた4機のうちの2機が墜落した。
幸い脱出したかと思われたが、実はパイロットが一人亡くなった。
しかし、その死体からは銃弾による傷が見つかった・・・
今夜はパラシュート博物館へ
講談社ノベルズ (2001.1.10)
- どちらかが魔女
メフィスト'99年9月号
西之園萌絵のマンションで毎月開かれるTMコネクション。
最近では単なるパーティーになってしまっていたが...
そこへ今月は、いつものメンバーに加えて大御坊安朋さんと木原恵郁子が
招かれていた。
そして彼らは大学の同級生で、今日のパーティーの主賓であった。
木原さんは学生時代、ある男にストーカーをされたことがあるという。
そして大御坊もまた、ある女性にストーカーをされたことがあるという。
彼らの話には、一体どういう関係があるのだろうか・・・
- 双頭の鷲の旗の下に
メフィスト'00年1月号
T学園の文化祭に、講演を聞きにやってきた犀川、萌絵、喜多、そして国枝。
彼らは、校舎の窓ガラスに、銃弾の跡のような小さな穴を見つけた。
それは、外側に円錐形に広がっている。これを作ったのは・・・
- ぶるぶる人形にうってつけの夜
メフィスト'00年5月号
小鳥遊練無は、偶然入った図書館である案内を見かけた。
「ぶるぶる人形を追跡する会(一般参加を歓迎)」
全日の夜、香具山紫子が言っていた人形だ。
それを見ていると後ろから、西之園さんに声をかけられた・・・
- ゲームの国
メフィスト'01年1月号
探偵の磯莉卑呂矛は、助手のメテ・クレモナと共に、ある島へと
やってきた。前村長に、調査を依頼されたためである。
26年前、無差別大量殺人が起き、その犯人の車田飛六が死刑になった。
その孫娘の車田香が、行方不明になっていると言う・・・
- 私の崖はこの夏のアウトライン
小説新潮'00年1月号
夏の暑い日、切り立った崖のそばの細い小道を降りて行く。
少し岩が突き出している部分があり、そこに一人の男性がいた。
年は若そうだ。そして彼は、小学生の時の担任の先生が、ここから
心中をしたという話を始めた・・・
- 卒業文集
小学6年生の子供達が、三年間担任をしてくれた若尾満智子先生の思い出を
文集として書き残したもの。
六年生の最後には、産休してしまって卒業式にも出られなかったけど、
生徒達にはとても慕われていた先生のようだ。
- 恋之坂ナイトグライド
メフィスト'00年9月号
アルバとチュチュは昨日出会ったばかり。
でも、明日には彼女は外国へ行ってしまう。
今夜は最後の夜・・・恋之坂へ行ってみることにした・・・
- 素敵な模型屋さん
子供の頃から模型が大好きだった。
プラモデルはあきてしまったが、それ以上のものを作るためには
必要な部品を手に入れる手段がなかった。
いつも、近所に良い模型屋さんがあればなぁと思っていた。
そのうち、家の引っ越しをすることになった。
新しい家は、古かったけど広くて、地下室があるようだった・・・
恋恋蓮歩の演習
講談社ノベルズ (2001.5.5)
各務亜樹良から依頼を受け、今度は関根朔太の自画像を盗み出すように
言われた保呂草順平。
それを持っている鈴鹿幸郎が、フランス人大富豪のクロウド・ボナパルトと
交渉するため、豪華客船ヒミコ号に乗り込むという情報を得たため、
香具山紫子とともに乗り込むことになった。
ところがそこに、瀬在丸紅子と小鳥遊練無も無賃乗船して乗り込んできた。
ところがそこで多勢の乗客によって、発砲の音が聞かれ、一人の男の墜落が
目撃された・・・
六人の超音波科学者
講談社ノベルズ (2001.9.5)
六人の超音波科学者が研究を続けている土井研究所。
そこで、パーティーが行われ、瀬在丸紅子と小鳥遊練無が招待された。
保呂草潤平と香具山紫子は、彼らを車で送る時に一緒についてきた。
ところが帰りに、バッテリーがあがってしまって帰れなくなってしまった。
パーティーにはテレビ局の人も二人招待されており、保呂草と紫子は
成行き上、その手伝いをすることになった。
この研究所は、一本道しかない山の中に作られていたが、丁度その頃、
途中にある橋を爆破するという強拍電話がかかり、まさにその通り、
橋が爆破されてしまった。
その時、臨場していた警察官のうち祖父江七夏だけが偶然、研究所側に
取り残されてしまい、仕方なく研究所を訪れることになった。
そしてその頃、科学者の一人、スコット・ファラディー氏が殺害された・・・
捩れ屋敷の利鈍
講談社ノベルズ (2002.1.10)
保呂草潤平と西之園萌絵は、熊野御堂譲氏に招かれた。
萌絵は、丁度一緒に学会から帰る途中だった国枝桃子も一緒につれてきた。
熊野御堂氏の目的は、彼の作った新しい建物、メビウスの輪の形をした
捩れ屋敷、及びその中に厳重に保管されている秘宝エンジェル・マヌーバを
見せること、そしてもう一つ、萌絵に、密室の謎を突き付けることであった。
ところが、ちょっとした経緯から、密室殺人及び秘宝の盗難になってしまった・・・
朽ちる散る落ちる
講談社ノベルズ (2002.5.8)
殺人事件の捜査として、土井超音波研究所を調べていた警察は、やっとその
地下室へと入り込んだ。ところがそこに、一人の男の腐乱死体を発見した。
そこは、内側から頑丈な鎖がかけてあり、さらにハッチの扉が閉めてある
その中の部屋であった。死後半年から二年。そして、何かに叩きつけられた
ような状況である。ただし、遺体はそんなに損傷は受けておらず、大きな
怪我等は見当たらない。
そしてその男が死亡した頃、宇宙船で乗組員全員が殺害されるという事件が
起こっていた。ただし、その発表は、公式には伏せられており、極一部の
人しか真相は知らない状況であった・・・
赤緑黒白
講談社ノベルズ (2002.9.5)
作家の帆山美澪の仕事場のマンションの前で、赤井寛の死体が発見された。
ところがこの死体は、全身をステッカーで赤く塗られていた。
その事件後、探偵の保呂草順平の所へ、赤井の恋人だと言う田口美登里が、
犯人を逮捕してくれと依頼してきた。彼女は、帆山美澪が犯人だと言う。
少し調べ、断わろうと彼女のアパートに来た保呂草は、彼女がアパートの中で
殺害されているのを発見した。そして今度は、全身緑色に塗られていた・・・
虚空の逆マトリクス
講談社ノベルズ (2003.1.7)
- トロイの木馬
「21世紀本格」
どうやら、もらってきたゲームソフトにトロイの木馬が仕掛けて
あったようだ。
多分そのせいで、会社のコンピュータが大きな影響を受けている・・・
- 赤いドレスのメアリィ
別冊文藝春秋'02年3月号
海辺のこの町に引っ越してきて間もなく、真っ赤なドレスに赤いブーツ、
赤い手袋をはめた老女がバスの待合所に座っているのを見つけた。
彼女はメアリィさんと呼ばれ、何も話さず、謎の人であった・・・
- 不良探偵
小説推理'02年10月号
金融関係の会社を止め、小説家になった僕。
近くにシンちゃんという素直で嘘のつけないいとこが住んでいた。
彼の名前を最初の小説の主人公の探偵に使ったことから、彼は自分が
優秀な探偵だと思いこんでいる・・・
- 話好きのタクシードライバ
KADOKAWAミステリ'02年7月号
私は、よくタクシーを利用する。
今日も、東京への出張のため名古屋駅までタクシーを使った。
この運転手がよく話をする男で・・・
- ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)
メフィスト'01年5月号
私の名前は星茂佳奈。22歳。
リリおばさんの経営する丸味スープの正社員として働いている。
ある日、冷凍庫の中に、死体を発見した・・・
- 探偵の孤影
小説新潮'02年1月号
金曜日の夜、一人の美しい女性が訪ねてきた。姉を探して欲しいと言う。
だが、自分の名前は名乗れない、姉の写真もないと言う・・・
- いつ入れ替わった?
メフィスト'02年5月号
その日、犀川先生と萌絵は、夜に食事をする予定だった。
ところが、犀川は喜多を、萌絵は近藤刑事を連れてきた。
近藤刑事は丁度、誘拐事件の身代金の受け渡しをした直後だった・・・
四季 春
講談社ノベルズ (2003.9.5)
真賀田四季の叔父、進藤精二の病院の一室で、看護婦の坂元美絵が殺害された。
だが、その部屋には内側から鍵がかかっており、窓はなかった。
また、その鍵はナースセンターと事務室で厳重に管理されていた。
四季には、其志雄という兄がいた。彼は天才的な能力を持っており、
そのために、死んだとして戸籍からは消され、進藤の病院で隔離されていた。
事情を知っている医師や看護婦以外は誰も彼の存在を知らされておらず、
しかも彼らからは、そこには誰もいないように扱われたため、彼自身は自分を
透明人間と思いこんでいた・・・
四季 夏
講談社ノベルズ (2004.1.5)
真賀田四季は13歳になり、日本に戻ってきた。
彼女は両親を動かし、妃真加島に窓のない巨大な研究施設を建設中である。
そして、叔父の進藤精二を何とか遊園地へと連れだすことに成功した。
そこで情報収集の部下として使っていた各務亜樹良が保呂草潤平と歩いて
いるのを見かけた。
迷わずついていった四季は、その帰り、叔父さんをおどかそうと建物の
裏へ回ったところで何ものかに拉致された・・・
そして二人だけになった
新潮社 (1999.6.20)
天才物理学者、数学者、かつ盲目の資産家、勅使河原潤。彼の秘書である森島有佳。
彼ら二人にはそれぞれ、そっくりな弟と妹がいた。
その弟と妹とが、本当の勅使河原潤と森島有佳の身代りとなってある実験に参加した。
老物理学者の志田雄三、建築家の垣本壮一郎、大学教授の小松貴史、
医師の浜野静子と共に、アンカレイジと呼ばれる吊り橋のワイヤを支える
構造物に作られた、一種のシェルターにこもって生活をするというものだ。
これは正に核シェルターとしての機能を備えており、巨大なコンクリートの中を
くり抜いたような構造をしている。
出入り口はコンピュータ管理され、極一部の者以外、その存在さえもしらない。
6人はこのシェルターの中で共同生活を始めた。
ところが始めての朝、部屋の中で志田雄三が殺害されているのが発見された・・・
女王の百年密室
幻冬舎 (2000.7.10)
衛星通信の具合が悪くなり、道に迷ってしまったサエバ・ミチルとロイディ。
彼らは、高い壁に囲まれた女王の支配する小さな町へとやってきた。
そこでは、人々は豊かに楽しく過ごしていた。このため、犯罪など全くないと言う。
ところが、そこでミチルは、王子のジュラ・スホが殺害されたのを見てしまった・・・
四季 秋
講談社ノベルズ (2004.1.8)
西之園萌絵は、修士を終えて博士課程に進学した。
犀川先生との仲も、順調に進んでいる???
儀同世津子と犀川創平、萌絵と睦子、捷輔がパーティーを開いたとき、
四季に興味を持っていた世津子がふと言った「ロバート・スワイニィ博士」
という言葉に激しく反応した犀川は、アパートに戻って、あの事件の時に
記念に持って帰ってきたレゴを取り出し、眺める。
そして、現場に残してあったそのレゴで出来たおもちゃの兵隊の頭の中から・・・
四季 冬
講談社ノベルズ (2004.3.5)
なんとかして四季とコンタクトを取ろうとする人物や組織がいくつもあった。
ただ、そのほとんどは、失敗に終わっていた。
実際に会って話をする必要があるのは、極めて限られた場合しかないため、
四季自身が会う必要がないと考えるのがほとんどであった。
ただ、極めて限られた場合の一つとして、四季がその人をスカウトしたいと
考える場合があった。
瀬在丸紅子、スワニィ、そして久慈昌山らがそういう人物として挙げられる。
久慈博士は、四季の子供の冷凍保存した手を受け取り、それを元にして
クローン人間を作り上げた。彼の名前はミチル。
ミチルは、久慈博士の曾孫娘と恋人どうしであったが、
ある連続殺人事件に巻き込まれ、ミチルは身体を、久慈博士の曾孫娘は脳を損傷し、
それを知った久慈博士は彼らの残りの部分を組み合わせて、一人の
クローン人間とした・・・
迷宮百年の睡魔
新潮社 (2003.6.23)
サイエンス・ライターのサエバ・ミチルは、イル・サン・ジャックという島へ
取材にやって来た。
いつものとおり、助手のロイディーと一緒だ。
この島は、過去に何人ものマスコミが取材を申し込んだが、全て拒否されており、
ミチルも拒絶されるものと思って投げやりに申し込んだところ、あっさりと
取材が許可された。
この島には、かつてルナティック・シティーにいた女王デボウ・スホに
そっくりな女王様がいた。。。実はデボウ・スホの母親であった。
そして、その島を訪れた日の夜、最高僧侶の首が切り落とされるという事件が
起こった・・・
スカイ・クロラ
中央公論新社 (2001.6.25)
偵察飛行や護衛飛行を行う会社に移ってきたカンナミ・ユウイチ。
上司の草薙水素以下4名のパイロットと、その他多くの整備士等の地上員が
いる基地である。
カンナミは、上司の草薙が自分と同じキルドレだと気付いた。
キルドレとは・・・
墜ちていく僕たち
集英社 (2001.6.30)
- 墜ちていく僕たち
「小説すばる」2000年2月号
大学三年の冬、小林先輩が金欠で僕の部屋へとやってきた。
しょうがないからラーメンを作ってご馳走しようと思って作っていた。
ちょっと味見をしたところ、急に気分が変になって、、、
気がついたらベッドの上だった。
先輩はラーメンを食べてしまっていて、、、
気がついたら僕たち二人とも女になってしまっていた・・・
- 舞い上がる俺たち
「小説すばる」2000年5月号
漫画家とそのアシスタントの二人。
締め切り間近の仕事をこなしていて、夜食にラーメンを作って食べたら、
自分たちが女から男になってしまっていた・・・
- どうしようもない私たち
「小説すばる」2000年10月号
60ぐらいの社長、50ぐらいの部長と付き合い、今後の生活が
保証されたと思いこんだ私。
同窓会で、初恋の人にあってしまった。
それから、社長の別送へとその初恋の人と一緒に行き、夜食にラーメンを
作って食べたところ、次の日には死んでしまっていた。
女だった私は男になり、男だった彼は女になって・・・
- どうしたの、君たち
「小説すばる」2001年1月号
私は、写真を撮るのが大好きだった。
特に人物の隠し撮りで、見つかった瞬間の表情を捕らえるのが好きだった。
そんな時、同じ大学に通う男性が気になり、彼のアパートの隣りの部屋に
引っ越しまでしてしまった。
ところがその彼が、ある日を境にとつぜん女性っぽくなってしまった・・・
- そこはかとなく怪しい人たち
「小説すばる」2001年4月号
作家の私は、TACK-BOCKの亜紀の大のファン。
締め切り翌日のコンサートにも当然行った。
ところがそこで、なんと亜紀陛下が私を個人的に誘ってくれた・・・
工学部・水柿助教授の日常
幻冬舎 (2001.1.10)
- ブルマもハンバーガも居酒屋の梅干で消えた鞄と博士たち
「ポンツーン」1999年5月号
水柿君が、三重県津市のM大学助手だった頃の話。
学会に参加し、そこで・・・
- ミステリィ・サークルもコンクリート試験体も海の藻屑と消えた笑えない
津市の史的指摘
「ポンツーン」1999年11月号
M大助手の頃、コンクリート試験体を用いた実験を始めたが・・・
- 試験にまつわる封印その他もろもろを今さら蒸し返す行為の意義に関する
事例報告及び考察(「これでも小説か」の疑問を抱えつつ)
「ポンツーン」2000年5月号
いろいろな試験に関わる仕事について・・・
- 若き水柿君の悩みとかよりも客観的なノスタルジィあるいは今さら
理解するビニル袋の望遠だよ
「ポンツーン」2000年10月号
奥さんとなる須摩子さんとの出会いの前後の事について・・・
- 世界食べ歩きとか世界不思議発見とかボルトと机と上履きでゴー
(タイトル短くしてくれって言われちゃった)
いつも、奥様を喜ばせるような不思議な話を考えている
水柿助教授であるが・・・
ZOKU
光文社 (2003.10.25)
- Off the Beaten Path (ちょっとどきどき)
「ジャーロ」2001年夏号
ある範囲でささいな振動を起こす、暴振族
- Poor at Manual Arts (苦手な秋・芸術の秋)
「ジャーロ」2002年冬号
強制的に図画工作をさせる、暴図工族
- A Simple Funny Story (笑いあり 涙なし)
「ジャーロ」2002年夏号
ステレオ音声で笑い声を発生させる、暴笑族
- It's almost right (当たらずといえども遠からず)
「ジャーロ」2003年冬号
占いで良い気にさせておいて一気に落とす、暴占族
- Facts are colored by prejudices (おめがねにかなった色メガネ)
「ジャーロ」2003年夏号
包装とは異なる色の製品をばらまく、暴色族
奥様はネットワーカ
メディアファクトリー (2002.7.27)
某国立大学工学部化学工学科の図書室の司書、鈴木奈留子ことルナが
校内の夜の校舎内で襲われた。
発見したのは同じ化学工学科家田研究室の秘書、内野智佳ことスージィであったが、
発見が早く、幸い怪我は軽くすんだ。
そうこうするうちに、校内で化学工学科の女子学生が殺害された。
彼女を発見したのは、情報工学科助教授の三枝洋侑ことサエグサであった。
ところが丁度そのころ、家田研究室の助手である堀江尚志ことホリが襲われ、
そこへ呼び出されたルナが再び襲われていた・・・
探偵伯爵と僕
講談社 (2004.4.27)
夏休み前のある日、馬場新太君は小学校の隣にある公園で、伯爵に出会った。
不思議な雰囲気を持つ大人で、僕達は友だちになった。
伯爵は探偵であると言う。
そして盆踊りの準備の日、友だちのハリィこと原田隆昌君が行方不明になった。
僕は、彼のことを伯爵に相談した・・・
悪戯王子と猫の物語
講談社 (2002.10.15)
絵本と言うかなんというか不思議なものですが、
多分、多くのものは、森さん自身の事を書いているのでしょう。
シリーズ物に出てくるいろいろな考え方(哲学)が反映されている気がしました。
ナ・バ・テア
中央公論新社 (2004.6.25)
僕、草薙水素のあこがれの人ティーチャー。
とにかく、彼はもはや伝説の人となっていた。
そしてなんと、僕は彼と一緒に働くことになった。
そして、その基地での初めてのフライトは、彼と一緒に飛ぶことになった。
この基地では、みんな翠芽に乗っており、僕もそれに乗っていた。
ただ、以前乗っていた散香と比べると、機動性に欠けるのが欠点だ・・・
猫の建築家
光文社 (2002.10.25)
何度生まれ変わっても建築家になっている猫。
当然、いつも建築について考えている、、、『美』『形』等々について・・・
議論の余地しかない
PHP (2002.12.25?)
発行済みのS&Mシリーズ、Vシリーズから、一部分ずつ抜き出した語録。
蜥蜴
中央公論新社 (2003.10.18?)
あまり良く分からない絵本 (汗)
月で生まれたサラ?愛の物語???
的を射る言葉
PHP (2004.9.??)
ホームページで公開していた一言を集めて本にしたもの。
納得できるような出来ないような、まぁ、森さんらしい本と言えばそうなのでしょう。
蛟竜
中央公論新社 (2004.11.??)
『蜥蜴』の続編であるが、元の蜥蜴からして私には
よく分からない作品・・・愛の物語なのか???
前回と同じく、ささきすばる氏(さし絵担当)との共作。
φは壊れたね
講談社 (2004.9.5)
西之園萌絵の通う国枝助教授の研究室の学生である山吹早月は、久々に大学時代の
同級生である舟元繁樹と彼のマンションで会った。
ところが彼が少し買い物に出ている間に、一階上の部屋で殺人事件が起こった。
実は舟元は管理人の代理を頼まれており、マンションの全ての部屋の鍵を
持っており、それを使って部屋を開けたのは、山吹自身であった。
殺人の起こった部屋は、いわゆる密室状態になっており、部屋の住人であった
町田弘司は宙に浮いた状態で殺害されていた・・・
工学部・水柿助教授の逡巡
幻冬社 (2004.12.20)
- 「まだ続くのか?」「命ある限り(高笑)」的な悪ふざけからいかにして
ミステリィに手を染めたのか着メロを鳴らす
「星星峡」2001年8月号
水柿君がミステリィを書きはじめたのは、ある北海道での学会出席で、
奥様を一緒に連れて行ったのがそもそもの始まりであった・・・
- いよいよやってきた人生の転機を脳天気に乗り越えるやいなや
ラットのごとく駆けだしてだからそれは脱兎でしょうが
「星星峡」2002年3月号
最初のミステリィを書き上げて奥様に見せてみたものの、反応はいまいち。
そこで、一人の古い友人に見せてはみたものの、それ以上でも
それ以下でもなく、仕方ないので出版社に送ってみることにした・・・
- 小説家として世界に羽ばたくといって本当に羽ばたいていたら変な人に
なってしまうこの不思議な業界の提供でお送りします
「星星峡」2002年10月号
初めの想像以上に売れているようだ。
全く知らなかったのだが、この世界では「出来ませんでした」で
全てが収まるらしい・・・
- サインコサインタンジェントマッドサイエンティストサンタクロース
コモエスタアカサカサントワマミー
「星星峡」2004年1月号
初めて講演会&サイン会をすることになった。
とにかく、自分の名前なんて教官の署名欄にしか書いたことのない
水柿君である・・・
- たまには短いタイトルにしたいと昨夜から寝ないで考えているうちに
面白い夢を見てしまった。ああ、そろそろ秋だなぁ。そこで一句。
短めにタイトルつけたら秋かもね。
「星星峡」2004年10月号
そして、お金持ちになった水柿君の現在は・・・
人間は考えるFになる
講談社 (2004.9.1)
共著:土屋賢二
大学教授と助教授の対談。
最後に、それぞれの書いた短編小説が載っている。
どきどきフェノメノン
角川書店 (2005.4.30)
D1、24歳の窪居佳那は、指導教官の相澤助教授を好ましく思っている。
研究室では、留学生を除くと佳那が最上級生であり、他にM1の鷹野史哉と
水谷浩樹がいる。
鷹野はさわやかなスポーツマンタイプ、水谷は近寄りがたい嫌な奴。
剣道仲間の藤木美保に誘われて、嫌々ながら合コンに参加した佳那。
ところが、どっちにしようかと迷ったあげく、途中で抜け出せるように手伝いを
頼んだ相手は、カラオケボックスでアルバイトをしている水谷の方であった・・・
ダウン・ツ・ヘヴン
中央公論新社 (2005.6.25)
敵のかつてのトップ・エースだった男を墜とした草薙水素。
彼は一躍、社のシンボルとして持ち上げられた。
そして、かつて憧れており、他社へ移ってしまっていたティーチャーと
戦闘することになった。
ただしそれは、政治的色彩の非常に強いものであった・・・
θは遊んでくれたよ
講談社 (2005.5.7)
フリーターの早川聡史が飛び降り自殺した。
彼の額のまん中には、「θ」の赤い文字が口紅で書かれていた。
続いて、看護師の木村ちあきが飛び降り自殺した。
彼女の手のひらにはまた、赤い「θ」の文字が口紅で書かれていた。
これらの意味不明な文字以外には、自殺を疑う理由は全くなかった。
そして、国枝桃子の大学時代の同級生で、工事現場監督の高島健之が
飛び降り自殺した。
彼の足の裏にもまた、赤い口紅で「θ」の文字が書かれていた・・・
τになるまで待って
講談社 (2005.9.5)
愛知県と岐阜県の県境近くの森に建つ『伽羅離館』。
ここは、神居静哉という超能力者の家であった。
そこへ、加部谷恵美、海月及介、山吹早月の三人が、探偵の赤柳初朗に
アルバイトとして雇われてやってきた。
ちょうど同時に、新聞記者の富沢健太がカメラマンの鈴本倫子を連れ、
不動産業者の登田昭一を案内としてやってきていた。
そしてその夜、神居が密室の中で殺害された・・・
レタス・フライ
講談社 (2006.1.11)
- ラジオの似合う夜 (A radiogenic night)
メフィスト'06年1月号
長期海外出張で、昔日本へ研修に来ていたX・Jの祖国へ行くことになった。
そこの美術館で、壁の一部に穴が開けられるという不思議な事件が起こり、
彼女が指揮することになった・・・
- 檻とプリズム (A prism in the cage)
メフィスト'05年9月号
小さな頃から檻に入れられていて、それが世界の全てだと思っていた自分。
実は、将来そこから出ていくことになるだろうという事は、
なんとなく分かっていた気もする・・・
- 証明可能な煙突掃除人 (Provable chimney sweeper)
IN★POCKET'05年12月号
町一番の煙突掃除人だった父親が、高いところから落下して亡くなった。
お化け煙突に登って上から覗けば、地獄の深さが分かるという話を残して。
そこで僕も、煙突掃除人になることにした・・・
- 皇帝の夢 (The imperial dream)
IN★POCKET'05年12月号
王朝の遺跡の丘に向かっているとき、日本語の勉強をしたいから
案内役をさせてくれという女性が近よってきた・・・
- 私を失望させて (Drive me to despair)
IN★POCKET'05年12月号
ミィがしてくれた、面白い話・・・変型桃太郎?
- 麗しき黒髪に種を (Seeds for her lovely tresses)
小説現代'04年8月号
子供会のピクニックに引率者としてやってきてくれた若い女性。
どんな経緯だったか忘れてしまったが、「くっつき虫」と呼ばれる
植物の種子を彼女めがけて投げつけることになっていた・・・
- コシジ君のこと (My most unforgettable figure)
IN★POCKET'05年12月号
小学校一年生の頃にいっしょだったコシジ君。
僕は、彼の夢をずっと見続けている・・・
- 砂の街 (The sandy town)
しばらくぶりに故郷に帰ってみると、そこは一面砂の街に
変わってしまっていた・・・
- 刀之津診療所の怪 (Mysteries of Katanotsu clinic)
メフィスト'04年5月号
山吹早月、可部谷恵美、海月及介というメンバーで、静岡県の
白刀島へとやってきた。山吹と海月の故郷である。
後で、西之園萌絵が合流する予定である。
実家の旅館にたどり着いて一息ついたところで、
探険に出かけることになった・・・
εに誓って
講談社 (2005.5.9)
加部谷恵美はディズニーランドへ行くために、山吹早月は姉に頼まれた
買い物をするために東京へ来ていた。
数日前、同じ日に那古野へ帰る予定だと言うことが分かったため、
示し合わせて一緒に帰ろうと言うことになった。
で、一緒に深夜高速バスに乗り込んだ。
ところがそのバスが、ジャックされてしまう事になった・・・
λに歯がない
講談社 (2005.9.6)
那古野市東北部に位置するT建設技術研究所の構造系実験施設内で、
四人の身元不明の射殺体が発見された。
この建物の出入り口には鍵がかかっており、さらにビデオカメラが
設置されていて24時間稼働していた。
にもかかわらず、犯人も銃も殺人事件現場からは発見されておらず、
被害者の出入りの記録も残っていなかった。
さらに被害者は全員、射殺後に歯を抜かれており、ポケットからは
「λに歯がない」と書かれたカードが発見された。
ちょうど犯行時刻ごろ、現場から50mほど離れた設備系の実験施設内では
C大学国枝助教授の研究室のメンバーが、T建設の施設を借りて
実験しているところだった。
そして、N大学からやってきている西之園萌絵も、この事件に関与し、
自ら封印していた過去と向き合うことになる・・・
STAR EGG 星の玉子さま
文芸春秋 (2004.11.5)
ある小さな星に住んでいる玉子さんが、おじいさんの残してくれた
宇宙船で、近くの星へ行ってみる・・・
STAR SALAD 星の玉子さま2
文芸春秋 (2006.10)
『STAR EGG 星の玉子さま』の続きです。
今回玉子さんは、野菜や果物の星へと出かけて行きます・・・
フラッタ・リンツ・ライフ
中央公論社 (2006.6.25)
空を飛ぶことが、何よりも楽しいクリタジンロウ。
同じパイロットの土岐野と組んでから、とても調子が良い。
相性が良いのだろう。
彼と、上司の草薙水素とからは、いろいろと学ぶところがあった。
出撃して敵を撃墜した日には、フーコの所へと行く。
そしてその帰り道、最近はある人の所へ寄り道していた。
特に大した事をしに行くわけでもなく、特別な話をするわけでもなかったが。
そして、彼女を通じて、クリタは草薙の事をより詳しく知ることになる・・・
ηなのに夢のよう
講談社 (2007.1.11)
地上10メートル以上の松の木の枝で首吊りをした死体が発見された。
状況証拠は自殺である。
一体、何のためにこんなに高い木の上に登って自殺したのか?
それとも、これは他殺なのか?
そんな事件が発生していた頃、西之園萌絵は、両親が亡くなった10年前の
飛行機事故の調査結果とその裏を知る・・・
カクレカラクリ
メディアファクトリー (2006.8.28)
計画的に、階段教室での授業で真知花梨の前に座り、雑誌の写真を見せ、
声をかけさせるように仕向けた群司朋成と栗城洋輔。
この作戦がうまくいって、花梨の実家である鈴鳴への趣味の旅で、
花梨の家に泊めてもらえることになった。
その趣味とは、廃工場などを見てまわること。
鈴鳴では、炭鉱は既に大分昔に閉鎖し、セメント工場も最近操業を
停止したところであった。
鈴鳴では昔から、二つの家系、真知家と山添家とがいがみ合っており、
花梨はその真知家のお嬢さまであった。
しかし、高校生の妹の玲奈と、彼女の同級生で山添家の後とり息子の太一とは、
割とうまくやっているようである。
群司と栗城とは、廃工場を見る予定で来て、そこを見ることも出来たのだが、
その時に真知家の娘たちから、この村に伝わるカクレカラクリ(隠れ絡繰り)の
話を聞いた。
120年前に天才絡繰師の磯貝機九郎が作成し、120年後すなわち今年動きだして、
宝物を提示するという伝説が伝わっていると言う。
彼らは、この謎も追うことになった・・・
イナイ×イナイ
講談社 (2007.5.9)
美術品鑑定、調査、探偵などを手がける椙田事務所。
食事にありつければ儲け物とそこに入り浸り、主に留守番兼電話番をしている
美大生の真鍋瞬一。
彼が留守番をしている時に、佐竹千鶴という女性が椙田を訪ねてやってきた。
その日の午後、助手の小川令子と一緒に佐竹家へと出かけていって
話を聞いてみると、自分が生まれたときからずっと、戸籍上は死亡した事に
なっている兄の鎮夫を探し出して欲しいという。
しかもその兄は、自宅の地下に閉じ込められているのだと言う・・・
クレイドゥ・ザ・スカイ
中央公論新社 (2007.6.25)
入院していた僕は、ふと、窓から外へ逃げ出してみようと考えた。
ハスキーボイスの女と一緒に車で逃げ、別れた後電車で峠の駅へやって来た。
そこで科学者の女と会い、病院へ行き、また複葉機で逃げて来た先に何と、
美しい戦闘機があった・・・
工学部・水柿助教授の解脱
幻冬舎 (2008.4.25)
限りなく実話に近いと言われる私小説(笑)、第三弾。
今回は、「解説」ならぬ「解脱」。いや、「離脱」という話もあるみたいですが...
- 第一話 まだ続きがあったのか奇跡の帰還を遂げるやいなや
子犬ぴょこぴょこみぴょこ柴犬になるコーギーの怪
- 第二話 親馬鹿小馬鹿猪馬鹿蝶馬鹿にも数々あるけれど壁を越えて
這い上がってくる本当の馬鹿には金メダルをなんて馬鹿なことを
- 第三話 リフォームのビフォア・アフタで散財へと突き進み
ますます社会からボイジャしたセレブな二人と一匹
- 第四話 いかにして密室に巨大なパスカルを入れたのかという
疑問に対して真摯な態度で答える箇条書きこもごも
- 第五話 壮大なる宇宙と存在の道傍に夢見る意志の仄かに微小なるや
さしずめ花弁に落ちる滴のごとくなりぬ
スカイ・イクリプス
中央公論新社 (2008.6.25)
「スカイ・クロラ」シリーズ第六巻&最終巻。
- Gyroscope (ジャイロスコープ)
- Nine Lives (ナイン・ライブズ)
- Waning Moon (ワニング・ムーン)
- Spit Fire (スピッツ・ファイア)
- Heart Drain (ハート・ドレイン)
- Earth Born (アース・ボーン)
- Doll of Glory (ドール・グローリィ)
- Ash on the Sky (スカイ・アッシュ)
キラレ×キラレ
講談社ノベルズ (2007.9.6)
Xシリーズ第2弾。
三十代の女性が満員電車の中でナイフのようなもので切りつけられる事件が
連続して発生した。
ただ、衣服と肌を少し切られて血は出るが、怪我は軽傷で命に別状はない。
三番目の事件の時に、加害者にさせられかけた会社役員の川戸から、
犯人を見つけ出すように依頼された探偵の鷹知は、美術鑑定業をする
椙田のところの小川と真鍋を誘い、捜査を開始する。
すると、無差別殺人と思われていた被害者の間に、意外な関係がある事が
分かってきた・・・
- プロローグ
- 第1章 不愉快な繰り返し
- 第2章 不連続な繰り返し
- 第3章 不条理な繰り返し
- 第4章 不用意な繰り返し
- 第5章 不思議な繰り返し
- エピローグ
タカイ×タカイ
講談社ノベルズ (2008.1.10)
Xシリーズ第3弾。
真鍋瞬市が講義に出ようと大学へ向かっていた所、人だかりが出来ていた。
その中に、同じ講義に出ている永田絵里子を見つけて訪ねてみると、
旗を挙げるようなポールの先端に、人がひっかかっているという。
確かに15mもあるそのポールの先には人影が見えるが、動きはない。
その後警察が駆けつけ、殺人事件として捜査が始まった・・・
- プロローグ
- 第1章 まずは虚儀に集い
- 第2章 しかし虚構の眺め
- 第3章 そして虚飾が陰り
- 第4章 またも虚脱を語り
- 第5章 やがて虚栄は崩れ
- エピローグ
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