森博嗣

1957年、愛知県生まれ。国立某大学の工学部助教授。
森博嗣の浮遊工作室


すべてがFになる
講談社ノベルズ (1996.4.5)

十四歳のとき、両親を殺害した疑いで捕まり、裁判で無罪を勝ち取った 天才工学博士、真賀田四季。 現在は、外界との交流をたち、孤島の研究施設の地下二階に閉じこもっている。 出入り口は一ヶ所で、そこは24時間体制で録画され、画像は保存されている。 十五年間で出入りした人数は、数えるほどしかなく、ここ1年程度は 誰も出入りしていないのであった。
N大学工学部の助教授犀川創平と教え子の西之園萌絵が訪れたその日、 その出入り口が自動的に開き、その中から四季の死体が搬送用ロボットに乗って 出てきた・・・


冷たい密室と博士たち
講談社ノベルズ (1996.7.5)

犀川創平助教授は、教え子の西之園萌絵とともに、創平の高校時代からの親友、 喜多北斗助教授の所属する極地研の新しい実験施設へ見学に出かけた。 実験は滞りなく終了し、その後打ち上げをした。 その時、図書室の司書である鈴村春江が、院生の丹羽健二郎を探しに来た。 彼の車が彼女の車の前にとめてあって、車が出せないので帰れないと言う。 ところが彼は、打ち上げには最初から参加していなかった。 彼を探しまわった研究室の職員と学生たちは、実験室の準備室内で死んでいる、 同じく打ち上げにはいなかった服部珠子の死体を発見した。 その後、その奥の搬入室内で倒れて死んでいる丹羽も発見した・・・


笑わない数学者
講談社ノベルズ (1996.9.5)

天才数学者、天王寺翔蔵の住む三ツ星館では、毎年クリスマスパーティーが 行なわれる。 今年はそこへ、犀川創平助教授と西之園萌絵が招待された。 ここでは、庭に立つ大きなブロンズのオリオン像が突然消えるという話がある。 これは、博士が出題したもので、解けたものを天王寺家の跡取りにするという。 そのクリスマスの夜、銅像が消えるとともに、招待客の一人が殺害されていた。 そして、彼女の部屋からは、彼女の息子の死体が発見された・・・


詩的私的ジャック
講談社ノベルズ (1997.1.5)

S女子大学校内のログハウス内で、T大の女子学生が殺害された。 その二か月後、T大の液体窒素のポンプ小屋内で、S女子大学の学生が殺害された。 どちらも、服や靴を取られ下着姿であり、腹部に切傷がつけられていた。 しかも、いわゆる密室であった。 その後さらに・・・


封印再度
講談社ノベルズ (1997.4.5)

岐阜県の旧家、香山家に伝わる「天地の瓢(こひょう)」と「無我の匣」は、 匣の鍵が瓶(瓢)の中に入っており、瓶の口は狭くて取りだせないようになっていた。 そして、約50年前、画家であった香山風采が仕事場にしていた自宅の倉で 自殺していた時に、そばに発見されたものであった。 ただし、凶器が発見されていなかったが・・・
犀川の姉、儀同世津子からその話を聞いた西之園萌絵は、さっそくその旧家を 訪れた・・・


まどろみ消去
講談社ノベルズ (1997.7.5)


幻惑の死と使途
講談社ノベルズ (1997.10.5)

マジシャンの有里匠幻が、脱出マジックの最中に殺害された。 テレビ収録の最中、そして大勢の観客の目の前で。
さらに、その葬式で、彼の遺体が突然消えた。 彼は、死んだ後まで得意の脱出マジックを使ったのか???
さらに彼の後をついで、爆破して壊すビルから脱出するというマジックをした 愛弟子の有里ミカルが、脱出直後に殺害された・・・


夏のレプリカ
講談社ノベルズ (1998.1.7)

簔沢杜萌は西之園萌絵と別れた後、地下鉄を乗り継いでタクシーで実家に向かった。 ところが帰ってきてみると、お手伝いの佐伯千栄子だけがいた。 両親と姉は、急用で外出したらしい。。。 ところが、次の日になっても誰も戻って来なかった。お手伝いさんも来ない。 そのかわり...不審者が侵入していた。 彼は、杜萌にピストルを突きつけ、電話に応対した後で車で別荘に行くように 指示した・・・


今はもうない
講談社ノベルズ (1998.4.5)

笹川氏は、フィアンセの知り合いの橋爪家の別荘に招待されていた。 パーティーやら話やらに飽きて外を散策していたら、白いドレスを着た女性と 出会った。 彼女は隣りの別荘の人だったが、すぐに雨が降りそうな中、自分の別荘には 絶対帰りたくないため、これから歩いて山を降りると言う。 そんなことをしたら遭難してしまうと思い、自分の招待されている別荘へと 連れて帰ってきた。彼女はその日は橋爪家の別荘に泊まることになった。 そしてその夜、招待客のうちの二人の姉妹が、別々の密室の中で死んでいるのが 見つかった・・・


数奇にして模型
講談社ノベルズ (1998.7.5)

十一月下旬、国立M工業大学の社会人入学した大学院生、寺林高司は、 模型交換会の準備に追われていた。 そんな時、彼の共同研究者である学生の上倉裕子が、実験室で殺害された。 この実験室は、裕子自身と彼女の死体を発見した河嶋慎也助教授、それに寺島高司 のみが鍵を持っていた。 一方寺島自身は、翌朝、模型交換会の準備室の中で、モデルの筒見明日香の 死体の側で気を失っているのを発見された。 この準備室にも鍵がかかっており、しかも、明日香の死体は首から上が切断され、 どこかへ持ち出されていた・・・


有限と微小のパン
講談社ノベルズ (1998.10.5)

日本最大のソフトメーカー「ナノクラフト」のある長崎のテーマパークを訪れる ことになっていた、N大学工学研究科犀川研究室の人々。 先発隊として乗り込んでいた、西之園萌絵、牧野洋子、反町愛の三人は、 殺人事件に巻き込まれる。 まず萌絵は、招待した側の人物でありナノクラフト社長の塙理生哉と会い、 そこで意識を失っている間に運び込まれた暗い部屋で、真賀田四季博士と出会った。 その後、犀川先生と連絡を取り合い、警察へ連絡している間に、ナノクラフトの 社員である松本拓也がホテルの前の教会の中で殺害された。 ところが、警官を呼びに行っている間に、死体は宙を浮いて天井の窓から 運び出されてしまったと言う。後には、彼の腕が一本だけ残されていた・・・


地球儀のスライス
講談社ノベルズ (1999.1.8)


黒猫の三角
講談社ノベルズ (1999.5.5)

6月6日、桜鳴六画邸でそこの奥様である小田原静江さんの誕生日パーティーが 開催された。 夫の政哉、子供の理沙と朋哉、居候の瀬在丸紅子、その執事である根来機千瑛、 哲学者の東尾繁、大学助手の浅野美幸、そして、紅子に誘われて香具山紫子が 出席した。 その途中、静江は自分の部屋に入ったが、その中で絞殺されてしまった。 実はその直前、静江は脅迫状を受け取り、自分の警護を探偵の保呂草潤平に 依頼し、彼は大学生の小鳥遊練無と香具山紫子に頼んで三人で見張っている 最中に殺されたのだ。密室であった。 この殺人には過去からの継続があり、3年前の7月7日に11歳の小学生が、 2年前の7月7日に22歳の女子大生が、1年前の6月6日に33歳のOLが 同じ方法で殺害されてきており、静江は丁度44歳の誕生日であった・・・


人形式モナリザ
講談社ノベルズ (1999.9.5)

小鳥遊練無が夏休みにバイトをした、長野県諏訪湖近くの美娯斗屋という ペンションへ、保呂草潤平、香具山紫子、瀬在丸紅子の三人が遊びにやって来た。 そこへ偶然、紅子の元夫である林、及びその部下かつ愛人(?)である祖父江七夏が 休暇でやって来ており、やはり偶然に出くわした。 そして、そのペンションの近くにある人形博物館で、殺人未遂、及び殺人事件が 発生した。 乙女文楽の舞台上で、岩崎麻里亜が毒物で倒れ、その混乱の隙に、矢倉の上から 紐を操っていた岩崎雅代がナイフで殺害されていたのだ・・・


月は幽咽のデバイス
講談社ノベルズ (2000.1.5)

那古野市東部の住宅地にある篠塚邸。 そこのお嬢さま莉英と瀬在丸紅子とは、小さい頃からの友達だった。 ある日、莉瑛が婚約発表をするパーティーを開くという。 そこへ偶然、美術商の森川美紗と、最近ふと知り合った保呂草潤平とが 招かれることになった。 紅子から小鳥遊練無の噂を聞いた莉瑛は、是非彼に会いたいと言いだし、 彼、香具山紫子、そして森川素直が途中から呼ばれることになった。 そして、呼ばれる直前、殺人事件が発生した。 オーディオルームと呼ばれる、音響効果を追求した部屋で、招待客の一人である 歌山佐季が、頭から血を流し、乱暴に振り回されて引っ掻き回されたような 状態で発見されたのだ。 しかもその状況は、いわゆる一種の密室であった・・・


森博嗣のミステリィ工作室
メディアファクトリー (1999.3.18)

ミステリィ100冊、自作のあとがき、各種コラムやエッセイ、漫画等。
100冊は、今後の参考にしようと思う。 でも、『まどろみ消去』の説明文、 「全体として、『まどろみ消去』は最も森らしい作品となった。どれか1冊だけ 自分の本を薦めるとしたら、迷わずこれを選ぶ。逆に、本作が馴染まない読者 は、森の作品に見切りをつけた方が良いだろう。森の持っている可能性の大多数 が、既にここにあるからだ。」 これは、、、見切りをつけた方がいいのかもしれない・・・


夢・出逢い・魔性
講談社ノベルズ (2000.5.5)

香具山紫子の応募が通り、彼女と瀬在丸紅子、小鳥遊練無の三人は、 あるテレビのクイズ番組に出場することになった。 そこへ保呂草潤平も適当な用事を作り、一緒に東京へとやって来た。 一日目は説明を兼ねたリハーサル、二日目は本番の予定であった。 ところがリハーサルの日、その番組のプロデューサの柳川が殺害された。 部屋は、いわゆる密室。 アイドルタレントの立花亜裕美が出入りしたことが目撃されていたが、 花火のような音がしたのは彼女の出てきた後であった。 そして、音は一回。ただし、柳川の体に残されていたのは、二つの銃による 傷口であった・・・


魔剣天翔
講談社ノベルズ (2000.9.5)

小鳥遊練無には、関根杏奈というパイロットの先輩がいた。 彼女は、彼が少林寺を始めたきっかけとなった人であり、女装するように なったのもそのためだろう。 それはともかくとして、最近彼女はフランスから帰国し、日本で曲芸飛行を することになり、その招待チケットを練無はもらった。 そしてその当日、実際の曲芸飛行中に編隊を組んでいた4機のうちの2機が墜落した。 幸い脱出したかと思われたが、実はパイロットが一人亡くなった。 しかし、その死体からは銃弾による傷が見つかった・・・


今夜はパラシュート博物館へ
講談社ノベルズ (2001.1.10)


恋恋蓮歩の演習
講談社ノベルズ (2001.5.5)

各務亜樹良から依頼を受け、今度は関根朔太の自画像を盗み出すように 言われた保呂草順平。 それを持っている鈴鹿幸郎が、フランス人大富豪のクロウド・ボナパルトと 交渉するため、豪華客船ヒミコ号に乗り込むという情報を得たため、 香具山紫子とともに乗り込むことになった。 ところがそこに、瀬在丸紅子と小鳥遊練無も無賃乗船して乗り込んできた。 ところがそこで多勢の乗客によって、発砲の音が聞かれ、一人の男の墜落が 目撃された・・・


六人の超音波科学者
講談社ノベルズ (2001.9.5)

六人の超音波科学者が研究を続けている土井研究所。 そこで、パーティーが行われ、瀬在丸紅子と小鳥遊練無が招待された。 保呂草潤平と香具山紫子は、彼らを車で送る時に一緒についてきた。 ところが帰りに、バッテリーがあがってしまって帰れなくなってしまった。 パーティーにはテレビ局の人も二人招待されており、保呂草と紫子は 成行き上、その手伝いをすることになった。 この研究所は、一本道しかない山の中に作られていたが、丁度その頃、 途中にある橋を爆破するという強拍電話がかかり、まさにその通り、 橋が爆破されてしまった。 その時、臨場していた警察官のうち祖父江七夏だけが偶然、研究所側に 取り残されてしまい、仕方なく研究所を訪れることになった。 そしてその頃、科学者の一人、スコット・ファラディー氏が殺害された・・・


捩れ屋敷の利鈍
講談社ノベルズ (2002.1.10)

保呂草潤平と西之園萌絵は、熊野御堂譲氏に招かれた。 萌絵は、丁度一緒に学会から帰る途中だった国枝桃子も一緒につれてきた。 熊野御堂氏の目的は、彼の作った新しい建物、メビウスの輪の形をした 捩れ屋敷、及びその中に厳重に保管されている秘宝エンジェル・マヌーバを 見せること、そしてもう一つ、萌絵に、密室の謎を突き付けることであった。 ところが、ちょっとした経緯から、密室殺人及び秘宝の盗難になってしまった・・・


朽ちる散る落ちる
講談社ノベルズ (2002.5.8)

殺人事件の捜査として、土井超音波研究所を調べていた警察は、やっとその 地下室へと入り込んだ。ところがそこに、一人の男の腐乱死体を発見した。 そこは、内側から頑丈な鎖がかけてあり、さらにハッチの扉が閉めてある その中の部屋であった。死後半年から二年。そして、何かに叩きつけられた ような状況である。ただし、遺体はそんなに損傷は受けておらず、大きな 怪我等は見当たらない。 そしてその男が死亡した頃、宇宙船で乗組員全員が殺害されるという事件が 起こっていた。ただし、その発表は、公式には伏せられており、極一部の 人しか真相は知らない状況であった・・・


赤緑黒白
講談社ノベルズ (2002.9.5)

作家の帆山美澪の仕事場のマンションの前で、赤井寛の死体が発見された。 ところがこの死体は、全身をステッカーで赤く塗られていた。 その事件後、探偵の保呂草順平の所へ、赤井の恋人だと言う田口美登里が、 犯人を逮捕してくれと依頼してきた。彼女は、帆山美澪が犯人だと言う。 少し調べ、断わろうと彼女のアパートに来た保呂草は、彼女がアパートの中で 殺害されているのを発見した。そして今度は、全身緑色に塗られていた・・・


虚空の逆マトリクス
講談社ノベルズ (2003.1.7)


四季 春
講談社ノベルズ (2003.9.5)

真賀田四季の叔父、進藤精二の病院の一室で、看護婦の坂元美絵が殺害された。 だが、その部屋には内側から鍵がかかっており、窓はなかった。 また、その鍵はナースセンターと事務室で厳重に管理されていた。
四季には、其志雄という兄がいた。彼は天才的な能力を持っており、 そのために、死んだとして戸籍からは消され、進藤の病院で隔離されていた。 事情を知っている医師や看護婦以外は誰も彼の存在を知らされておらず、 しかも彼らからは、そこには誰もいないように扱われたため、彼自身は自分を 透明人間と思いこんでいた・・・


四季 夏
講談社ノベルズ (2004.1.5)

真賀田四季は13歳になり、日本に戻ってきた。 彼女は両親を動かし、妃真加島に窓のない巨大な研究施設を建設中である。 そして、叔父の進藤精二を何とか遊園地へと連れだすことに成功した。 そこで情報収集の部下として使っていた各務亜樹良が保呂草潤平と歩いて いるのを見かけた。 迷わずついていった四季は、その帰り、叔父さんをおどかそうと建物の 裏へ回ったところで何ものかに拉致された・・・


そして二人だけになった
新潮社 (1999.6.20)

天才物理学者、数学者、かつ盲目の資産家、勅使河原潤。彼の秘書である森島有佳。 彼ら二人にはそれぞれ、そっくりな弟と妹がいた。 その弟と妹とが、本当の勅使河原潤と森島有佳の身代りとなってある実験に参加した。 老物理学者の志田雄三、建築家の垣本壮一郎、大学教授の小松貴史、 医師の浜野静子と共に、アンカレイジと呼ばれる吊り橋のワイヤを支える 構造物に作られた、一種のシェルターにこもって生活をするというものだ。 これは正に核シェルターとしての機能を備えており、巨大なコンクリートの中を くり抜いたような構造をしている。 出入り口はコンピュータ管理され、極一部の者以外、その存在さえもしらない。 6人はこのシェルターの中で共同生活を始めた。 ところが始めての朝、部屋の中で志田雄三が殺害されているのが発見された・・・


女王の百年密室
幻冬舎 (2000.7.10)

衛星通信の具合が悪くなり、道に迷ってしまったサエバ・ミチルとロイディ。 彼らは、高い壁に囲まれた女王の支配する小さな町へとやってきた。 そこでは、人々は豊かに楽しく過ごしていた。このため、犯罪など全くないと言う。 ところが、そこでミチルは、王子のジュラ・スホが殺害されたのを見てしまった・・・


四季 秋
講談社ノベルズ (2004.1.8)

西之園萌絵は、修士を終えて博士課程に進学した。 犀川先生との仲も、順調に進んでいる??? 儀同世津子と犀川創平、萌絵と睦子、捷輔がパーティーを開いたとき、 四季に興味を持っていた世津子がふと言った「ロバート・スワイニィ博士」 という言葉に激しく反応した犀川は、アパートに戻って、あの事件の時に 記念に持って帰ってきたレゴを取り出し、眺める。 そして、現場に残してあったそのレゴで出来たおもちゃの兵隊の頭の中から・・・


四季 冬
講談社ノベルズ (2004.3.5)

なんとかして四季とコンタクトを取ろうとする人物や組織がいくつもあった。 ただ、そのほとんどは、失敗に終わっていた。 実際に会って話をする必要があるのは、極めて限られた場合しかないため、 四季自身が会う必要がないと考えるのがほとんどであった。 ただ、極めて限られた場合の一つとして、四季がその人をスカウトしたいと 考える場合があった。 瀬在丸紅子、スワニィ、そして久慈昌山らがそういう人物として挙げられる。 久慈博士は、四季の子供の冷凍保存した手を受け取り、それを元にして クローン人間を作り上げた。彼の名前はミチル。 ミチルは、久慈博士の曾孫娘と恋人どうしであったが、 ある連続殺人事件に巻き込まれ、ミチルは身体を、久慈博士の曾孫娘は脳を損傷し、 それを知った久慈博士は彼らの残りの部分を組み合わせて、一人の クローン人間とした・・・


迷宮百年の睡魔
新潮社 (2003.6.23)

サイエンス・ライターのサエバ・ミチルは、イル・サン・ジャックという島へ 取材にやって来た。 いつものとおり、助手のロイディーと一緒だ。 この島は、過去に何人ものマスコミが取材を申し込んだが、全て拒否されており、 ミチルも拒絶されるものと思って投げやりに申し込んだところ、あっさりと 取材が許可された。 この島には、かつてルナティック・シティーにいた女王デボウ・スホに そっくりな女王様がいた。。。実はデボウ・スホの母親であった。 そして、その島を訪れた日の夜、最高僧侶の首が切り落とされるという事件が 起こった・・・


スカイ・クロラ
中央公論新社 (2001.6.25)

偵察飛行や護衛飛行を行う会社に移ってきたカンナミ・ユウイチ。 上司の草薙水素以下4名のパイロットと、その他多くの整備士等の地上員が いる基地である。 カンナミは、上司の草薙が自分と同じキルドレだと気付いた。 キルドレとは・・・


墜ちていく僕たち
集英社 (2001.6.30)


工学部・水柿助教授の日常
幻冬舎 (2001.1.10)


ZOKU
光文社 (2003.10.25)


奥様はネットワーカ
メディアファクトリー (2002.7.27)

某国立大学工学部化学工学科の図書室の司書、鈴木奈留子ことルナが 校内の夜の校舎内で襲われた。 発見したのは同じ化学工学科家田研究室の秘書、内野智佳ことスージィであったが、 発見が早く、幸い怪我は軽くすんだ。
そうこうするうちに、校内で化学工学科の女子学生が殺害された。 彼女を発見したのは、情報工学科助教授の三枝洋侑ことサエグサであった。 ところが丁度そのころ、家田研究室の助手である堀江尚志ことホリが襲われ、 そこへ呼び出されたルナが再び襲われていた・・・


探偵伯爵と僕
講談社 (2004.4.27)

夏休み前のある日、馬場新太君は小学校の隣にある公園で、伯爵に出会った。 不思議な雰囲気を持つ大人で、僕達は友だちになった。 伯爵は探偵であると言う。 そして盆踊りの準備の日、友だちのハリィこと原田隆昌君が行方不明になった。 僕は、彼のことを伯爵に相談した・・・


悪戯王子と猫の物語
講談社 (2002.10.15)

絵本と言うかなんというか不思議なものですが、 多分、多くのものは、森さん自身の事を書いているのでしょう。 シリーズ物に出てくるいろいろな考え方(哲学)が反映されている気がしました。


ナ・バ・テア
中央公論新社 (2004.6.25)

僕、草薙水素のあこがれの人ティーチャー。 とにかく、彼はもはや伝説の人となっていた。 そしてなんと、僕は彼と一緒に働くことになった。 そして、その基地での初めてのフライトは、彼と一緒に飛ぶことになった。 この基地では、みんな翠芽に乗っており、僕もそれに乗っていた。 ただ、以前乗っていた散香と比べると、機動性に欠けるのが欠点だ・・・


猫の建築家
光文社 (2002.10.25)

何度生まれ変わっても建築家になっている猫。 当然、いつも建築について考えている、、、『美』『形』等々について・・・


議論の余地しかない
PHP (2002.12.25?)

発行済みのS&Mシリーズ、Vシリーズから、一部分ずつ抜き出した語録。


蜥蜴
中央公論新社 (2003.10.18?)

あまり良く分からない絵本 (汗)
月で生まれたサラ?愛の物語???


的を射る言葉
PHP (2004.9.??)

ホームページで公開していた一言を集めて本にしたもの。
納得できるような出来ないような、まぁ、森さんらしい本と言えばそうなのでしょう。


蛟竜
中央公論新社 (2004.11.??)

『蜥蜴』の続編であるが、元の蜥蜴からして私には よく分からない作品・・・愛の物語なのか??? 前回と同じく、ささきすばる氏(さし絵担当)との共作。


φは壊れたね
講談社 (2004.9.5)

西之園萌絵の通う国枝助教授の研究室の学生である山吹早月は、久々に大学時代の 同級生である舟元繁樹と彼のマンションで会った。 ところが彼が少し買い物に出ている間に、一階上の部屋で殺人事件が起こった。 実は舟元は管理人の代理を頼まれており、マンションの全ての部屋の鍵を 持っており、それを使って部屋を開けたのは、山吹自身であった。 殺人の起こった部屋は、いわゆる密室状態になっており、部屋の住人であった 町田弘司は宙に浮いた状態で殺害されていた・・・


工学部・水柿助教授の逡巡
幻冬社 (2004.12.20)


人間は考えるFになる
講談社 (2004.9.1) 共著:土屋賢二

大学教授と助教授の対談。 最後に、それぞれの書いた短編小説が載っている。


どきどきフェノメノン
角川書店 (2005.4.30)

D1、24歳の窪居佳那は、指導教官の相澤助教授を好ましく思っている。 研究室では、留学生を除くと佳那が最上級生であり、他にM1の鷹野史哉と 水谷浩樹がいる。 鷹野はさわやかなスポーツマンタイプ、水谷は近寄りがたい嫌な奴。 剣道仲間の藤木美保に誘われて、嫌々ながら合コンに参加した佳那。 ところが、どっちにしようかと迷ったあげく、途中で抜け出せるように手伝いを 頼んだ相手は、カラオケボックスでアルバイトをしている水谷の方であった・・・


ダウン・ツ・ヘヴン
中央公論新社 (2005.6.25)

敵のかつてのトップ・エースだった男を墜とした草薙水素。 彼は一躍、社のシンボルとして持ち上げられた。 そして、かつて憧れており、他社へ移ってしまっていたティーチャーと 戦闘することになった。 ただしそれは、政治的色彩の非常に強いものであった・・・


θは遊んでくれたよ
講談社 (2005.5.7)

フリーターの早川聡史が飛び降り自殺した。 彼の額のまん中には、「θ」の赤い文字が口紅で書かれていた。 続いて、看護師の木村ちあきが飛び降り自殺した。 彼女の手のひらにはまた、赤い「θ」の文字が口紅で書かれていた。 これらの意味不明な文字以外には、自殺を疑う理由は全くなかった。 そして、国枝桃子の大学時代の同級生で、工事現場監督の高島健之が 飛び降り自殺した。 彼の足の裏にもまた、赤い口紅で「θ」の文字が書かれていた・・・


τになるまで待って
講談社 (2005.9.5)

愛知県と岐阜県の県境近くの森に建つ『伽羅離館』。 ここは、神居静哉という超能力者の家であった。 そこへ、加部谷恵美、海月及介、山吹早月の三人が、探偵の赤柳初朗に アルバイトとして雇われてやってきた。 ちょうど同時に、新聞記者の富沢健太がカメラマンの鈴本倫子を連れ、 不動産業者の登田昭一を案内としてやってきていた。 そしてその夜、神居が密室の中で殺害された・・・


レタス・フライ
講談社 (2006.1.11)


εに誓って
講談社 (2005.5.9)

加部谷恵美はディズニーランドへ行くために、山吹早月は姉に頼まれた 買い物をするために東京へ来ていた。 数日前、同じ日に那古野へ帰る予定だと言うことが分かったため、 示し合わせて一緒に帰ろうと言うことになった。 で、一緒に深夜高速バスに乗り込んだ。 ところがそのバスが、ジャックされてしまう事になった・・・


λに歯がない
講談社 (2005.9.6)

那古野市東北部に位置するT建設技術研究所の構造系実験施設内で、 四人の身元不明の射殺体が発見された。 この建物の出入り口には鍵がかかっており、さらにビデオカメラが 設置されていて24時間稼働していた。 にもかかわらず、犯人も銃も殺人事件現場からは発見されておらず、 被害者の出入りの記録も残っていなかった。 さらに被害者は全員、射殺後に歯を抜かれており、ポケットからは 「λに歯がない」と書かれたカードが発見された。 ちょうど犯行時刻ごろ、現場から50mほど離れた設備系の実験施設内では C大学国枝助教授の研究室のメンバーが、T建設の施設を借りて 実験しているところだった。 そして、N大学からやってきている西之園萌絵も、この事件に関与し、 自ら封印していた過去と向き合うことになる・・・


STAR EGG 星の玉子さま
文芸春秋 (2004.11.5)

ある小さな星に住んでいる玉子さんが、おじいさんの残してくれた 宇宙船で、近くの星へ行ってみる・・・


STAR SALAD 星の玉子さま2
文芸春秋 (2006.10)

『STAR EGG 星の玉子さま』の続きです。 今回玉子さんは、野菜や果物の星へと出かけて行きます・・・


フラッタ・リンツ・ライフ
中央公論社 (2006.6.25)

空を飛ぶことが、何よりも楽しいクリタジンロウ。 同じパイロットの土岐野と組んでから、とても調子が良い。 相性が良いのだろう。 彼と、上司の草薙水素とからは、いろいろと学ぶところがあった。 出撃して敵を撃墜した日には、フーコの所へと行く。 そしてその帰り道、最近はある人の所へ寄り道していた。 特に大した事をしに行くわけでもなく、特別な話をするわけでもなかったが。 そして、彼女を通じて、クリタは草薙の事をより詳しく知ることになる・・・


ηなのに夢のよう
講談社 (2007.1.11)

地上10メートル以上の松の木の枝で首吊りをした死体が発見された。 状況証拠は自殺である。 一体、何のためにこんなに高い木の上に登って自殺したのか? それとも、これは他殺なのか? そんな事件が発生していた頃、西之園萌絵は、両親が亡くなった10年前の 飛行機事故の調査結果とその裏を知る・・・


カクレカラクリ
メディアファクトリー (2006.8.28)

計画的に、階段教室での授業で真知花梨の前に座り、雑誌の写真を見せ、 声をかけさせるように仕向けた群司朋成と栗城洋輔。 この作戦がうまくいって、花梨の実家である鈴鳴への趣味の旅で、 花梨の家に泊めてもらえることになった。 その趣味とは、廃工場などを見てまわること。 鈴鳴では、炭鉱は既に大分昔に閉鎖し、セメント工場も最近操業を 停止したところであった。 鈴鳴では昔から、二つの家系、真知家と山添家とがいがみ合っており、 花梨はその真知家のお嬢さまであった。 しかし、高校生の妹の玲奈と、彼女の同級生で山添家の後とり息子の太一とは、 割とうまくやっているようである。 群司と栗城とは、廃工場を見る予定で来て、そこを見ることも出来たのだが、 その時に真知家の娘たちから、この村に伝わるカクレカラクリ(隠れ絡繰り)の 話を聞いた。 120年前に天才絡繰師の磯貝機九郎が作成し、120年後すなわち今年動きだして、 宝物を提示するという伝説が伝わっていると言う。 彼らは、この謎も追うことになった・・・


イナイ×イナイ
講談社 (2007.5.9)

美術品鑑定、調査、探偵などを手がける椙田事務所。 食事にありつければ儲け物とそこに入り浸り、主に留守番兼電話番をしている 美大生の真鍋瞬一。 彼が留守番をしている時に、佐竹千鶴という女性が椙田を訪ねてやってきた。 その日の午後、助手の小川令子と一緒に佐竹家へと出かけていって 話を聞いてみると、自分が生まれたときからずっと、戸籍上は死亡した事に なっている兄の鎮夫を探し出して欲しいという。 しかもその兄は、自宅の地下に閉じ込められているのだと言う・・・


クレイドゥ・ザ・スカイ
中央公論新社 (2007.6.25)

入院していた僕は、ふと、窓から外へ逃げ出してみようと考えた。 ハスキーボイスの女と一緒に車で逃げ、別れた後電車で峠の駅へやって来た。 そこで科学者の女と会い、病院へ行き、また複葉機で逃げて来た先に何と、 美しい戦闘機があった・・・


工学部・水柿助教授の解脱
幻冬舎 (2008.4.25)

限りなく実話に近いと言われる私小説(笑)、第三弾。 今回は、「解説」ならぬ「解脱」。いや、「離脱」という話もあるみたいですが...


スカイ・イクリプス
中央公論新社 (2008.6.25)

「スカイ・クロラ」シリーズ第六巻&最終巻。


キラレ×キラレ
講談社ノベルズ (2007.9.6)

Xシリーズ第2弾。 三十代の女性が満員電車の中でナイフのようなもので切りつけられる事件が 連続して発生した。 ただ、衣服と肌を少し切られて血は出るが、怪我は軽傷で命に別状はない。 三番目の事件の時に、加害者にさせられかけた会社役員の川戸から、 犯人を見つけ出すように依頼された探偵の鷹知は、美術鑑定業をする 椙田のところの小川と真鍋を誘い、捜査を開始する。 すると、無差別殺人と思われていた被害者の間に、意外な関係がある事が 分かってきた・・・


タカイ×タカイ
講談社ノベルズ (2008.1.10)

Xシリーズ第3弾。 真鍋瞬市が講義に出ようと大学へ向かっていた所、人だかりが出来ていた。 その中に、同じ講義に出ている永田絵里子を見つけて訪ねてみると、 旗を挙げるようなポールの先端に、人がひっかかっているという。 確かに15mもあるそのポールの先には人影が見えるが、動きはない。 その後警察が駆けつけ、殺人事件として捜査が始まった・・・



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